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ディスプレイ形式とインライン形式

今回は、MathMLで数式を表示する場合の2つの形式、ディスプレイ形式インライン形式について紹介します。

MathMLでは、math要素のdisplay属性を設定することで、ディスプレイ形式で表示するか、インライン形式で表示するか選択することができます。display="block"と設定するとディスプレイ形式、display="inline"と設定するとインライン形式で表示することになります。

なぜ、ディスプレイ形式とインライン形式と呼ぶのか

ディスプレイ形式という言い方は、"display style"に対する日本語訳です。TEXで一般に用いられるディスプレイ数式という言い方にならって、この言葉を選んでいます。また、ディスプレイ形式でない形式がinlineであり、TEXで一般に用いられるインライン数式という言い方にならって、インライン形式という言葉を当てています。ただ、これらは筆者独自の日本語訳ではあります。

なお、TEXで用いられている用語を参考にしたのは、MathMLコア(筆者による日本語訳)の中でTEXにならって数式を表示することとなっており、表示のされ方などがTEXのようになっているためです。

ディスプレイ形式とインライン形式の違い

ディスプレイ形式インライン形式の違いが分かりやすいように、同じ式をディスプレイ形式インライン形式で表現してみました。

ディスプレイ形式の式:

$$
\sum_{i=1}^{n}\frac{1}{i+1}
$$

インライン形式の式:$${\sum_{i=1}^{n}\frac{1}{i+1}}$$

注意:上の数式は、noteの数式表示機能であるTEXの、ディスプレイ数式とインライン数式の機能を用いて表示しています。

ディスプレイ形式では総和記号Σの上下に式が書かれているのに対し、インライン形式では上付き添え字や下付き添え字の位置に移動され、縦方向に縮められています。また、分数の分母と分子の間隔が、ディスプレイ形式に比べインライン形式は縮められ、フォントサイズも小さくなっています。

このように、全体として、ディスプレイ形式に比べインライン形式は縦に縮められて表示されます。これは、ディスプレイ形式は、数式を単独で表示するためのもの、インライン形式は、文の途中で数式を表示するためのものだからです。

ちなみにディスプレイ形式インライン形式も同じコードで、違いはdisplay="block"かdisplay="inline"かの違いだけです。display属性を設定するだけで、数式が書かれた場所に適した表示に切り替わるのが興味深いですね。

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