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スクリプト体とカリグラフィー体

TeXやMathMLで利用される筆記体フォントには、スクリプト体カリグラフィー体の2つの異体字(同じ文字だが字体が異なるもの)があります。この2つの異体字について、筆者がいろいろ調べたことをまとめておきたいと思います。
なお、スクリプト体カリグラフィー体は、英字フォントでの書体の話なので、日本語の情報がなかなか無く調べるのに苦労しました。そのため、下記の文章には、必ずしも正確でない情報が含まれている可能性がありますので、ご了承ください。

スクリプト体

全体的に丸みのある手書き文字っぽい書体です。
TeXでは\mathscrコマンドを使用して表示します。
MathMLでは異体字選択用文字2(︁U+FE01)を後ろに付けて表示することになっています。ただ、2023年6月に試した限りではChrome・Safariなどの主要なブラウザで正しく表示できませんでした。
ラウンドハンドとも呼ばれます。また、TeXでは花文字と呼ばれることもあります。

$$
\mathscr{A}
$$

カリグラフィー体

縦線を太く、横線やつなぎを細くしたデザイン文字の書体です。
TeXでは\mathcalコマンドを使用して表示します。
MathMLでは異体字選択用文字1(︀U+FE00)を後ろに付けて表示します。ただ、2023年6月に試した限りではChrome・Safariなどの主要なブラウザで正しく表示できませんでした。
チャンセリーとも呼ばれています。また、TeXでは筆記体と呼ばれることもあります。

$$
\mathcal{A}
$$

ただ、カリグラフィーは、元はと言えば、主に先端が平らなペンを用いて手書きしていた手法を指すようです。カリグラフィーについて解説した本などによると、活版印刷が普及することで廃れましたが、現在はクリスマスカードやバースデーカードなどの装飾文字として利用されているようです。
そして、カリグラフィーで書かれる文字には、ゴシック体やイタリック体など様々な書体があり、その中のカッパープレート体などが、筆記体フォントのカリグラフィー体の元と思われます。

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