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mayをどう訳す?

MathMLなどの仕様書を読んでいると、しばしばmayという助動詞に出会います。このmayはどう訳すと良いのでしょうか。

mayには「かもしれない」と「してもよい」の意味があります。筆者は「かもしれない」が主な意味だと覚えていました。

RFC文書では

実は、仕様書の助動詞の意味を明確にするためのRFC文書「Key words for use in RFCs to Indicate Requirement Levels」(日本語訳)があります。このなかでmayの意味するところは、"This word, or the adjective "OPTIONAL", mean that an item is truly optional."(この言葉、ないし「任意である(OPTIONAL) 」という用語は、ある項目が真に任意であることを意味する。)とされており、"truly optional"(真に任意である)を意味しているようです。任意というのは、しても・しなくても、どちらでもよいということですね。よって、仕様書においては、「してもよい」の方がより適切な日本語訳と思われます。

英和辞典を引いてみると

筆者の手元にある電子辞書Brain(PW-SB7)のジーニアス英和大辞典でmayを引いてみました。

may
[助]
Ⅰ[許可]≪◆通例強勢を置かない》
1 ≪やや正式》
a [S may do]<人は>・・・してよい, [後略]
Ⅱ[可能性・推量]
2 [S may do]<人・事が>(事実上)・・・かもしれない, [後略]

ジーニアス英和大辞典

どうも、英和辞典でも「してもよい」の方が先に説明されているようです。この点でも、「してもよい」の方がより適切な日本語訳と思われます。

以上から総合的に考えるに、筆者の思っていた『「かもしれない」がmayの主な意味』という覚え方は適切ではなかったようです。今回、大変勉強になりました。

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