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将来、割り算の筆算が実装されるかもしれない

MathMLには、割り算の筆算を描画するためのmlongdivという要素があります。

mlongdiv要素

MathML3(筆者による日本語訳)によると、mlongdivは、次の割り算の筆算を、例えば次のコードを記述することで描画できます。

割り算の筆算
<mlongdiv longdivstyle="lefttop">
  <mn>7</mn>
  <mn>34</mn>
  <mn>242</mn>
  <msgroup position="2" shift="-1">
    <msgroup>
      <mn>21</mn>
      <msline length="2">
    </msgroup>
    <msgroup>
      <mn>32</mn>
      <mn>28</mn>
      <msline length="2">
      <mn>4</mn>
    </msgroup>
  </msgroup>
</mlongdiv>

ただし、現在、実際に実装されているウェブブラウザはほとんどなく、ウェブページでの表示は困難な状況です。そのため、mlongdivは実際には使用できない要素です。

MathMLコアで実装されるかもしれない

一方で、MathML4(草案版)には次のような記述があります。

These are defined for compatibility with legacy MathML, as well as to cover 3.1.7 Linebreaking of Expressions, 3.6 Elementary Math and other aspects not included in level 1 of MathML Core but which may be incorporated into future versions of MathML Core.

MathML4

それらの拡張は, 従来のMathMLとの互換性のために, また, 3.1.7 式の改行, 3.6 初等数学, MathMLコアレベル1に含まれていない他の側面を網羅するために定義されました. ただし, それらの側面は, MathMLコアの将来版に組み入れられるかもしれません.

上記のMathML4の日本語訳

mlongdivは、3.6 Elementary Math(3.6 初等数学)の一部なので、この記述は、将来、MathMLコア(筆者による日本語訳)に組み入れることもあるということを意味しています。また、MathMLコアは、MathMLのウェブブラウザでの描画方法を論じた仕様書です。つまり、将来、割り算の筆算がウェブブラウザで表示できるようになるかもしれないということです。

筆算が表示できると、MathMLの教育分野での活用も期待できそうです。MathMLコアでの実装に期待したいです。

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