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最愛の旅先・小笠原 第8回 母島の北港と乳房山

母島の北を目指して

南に向かった次の日、原付で北に向かった。

北への道は、アップダウンが急な上、道が狭くなっているところが多く、対向車が少ないとはいえ皆無ではなく、原付の運転には気を使う。スピードは出さないようにした。

もっとも、父島もそうだけど、島ではスピードを出すことに快感を覚えない。島時間と同じように、のんびりと走った方がかえって気持ちがいい。

原付で行ける最北端は北港。東屋の先に広がる水平線は、吸い込まれるようにいつまでも見ていたくなる。

このときは海をぼーっと眺めただけだったが、2019年にリピートで訪れたときには3点セットを持っていってここでシュノーケリングした(その時のことは後日投稿予定)。

北港の西側には大沢海岸への道があり、車両は通れないけれども、歩いて行けるので行ってみた。

行きたい気持ちの赴くままに原付を走らせたり、森や海岸を歩いたり。この時の母島では泳いではいないけれども、静寂のなかにある波の音、風の音、木々の緑、海の碧、力強い太陽、どこまでも広い空、優しく柔らかい雲とに、心と体をまかせ、自然体というものを取り戻そうとしていたんだと、今になって思う。

母島の最高峰・乳房山に登る

次の日の午前中、アンナビーチで同宿のひとと乳房山に登った。標高463m。このころは、学校時代の遠足とか林間学校を除いては、山登りをしたことが無く、登るのは大変かもなあと思いつつも、頂上からの眺めが楽しみでワクワクもしていた。

途中の大きなガジュマルにインパクトを感じた。無数の触手のような気根に、大自然のエネルギーを感じる。

初めての乳房山、ひとりだったら登るのはかなり苦しかったかもしれない。おしゃべりをしながら、休みながら。息も切れたけれども楽しく、気がつけば登り切れていた感じだ。

登りきった達成感と、眼下に広がる亜熱帯の濃い緑とボニンブルーの大海原が、気持ちいい!

下りは登りよりもきつかった。急な登りよりも急な下りの方が足元がおぼつかない感じがして気をつかう。転ばないように足元をよく見た。さらに、着地衝撃が膝に来てしまい、膝がガクガクになる。

それでも、見たことのない植生には目が留まった。シマホルトノキの大きな板根、分厚い板状の根っこには目を見張った。

下山すると、足は膝を中心にもうガクガクし過ぎてしまっていたが、母島観光協会で登頂記念証をもらうことができた(登る前に観光協会で用紙と鉛筆をもらい、乳房山山頂にあるレリーフに用紙を当てて、鉛筆で用紙をこすってレリーフの絵を用紙に写し取ると、それと引き換えに登頂記念証をもらえる)。

なお、2019年に乳房山をリピートしたときに2枚目の記念証をもらうのだがデザインが変わっていた(2019年については後日投稿予定)。

明日はいよいよ小笠原を出港

さて、2航海、12日間にわたる小笠原諸島への旅もいよいよ大詰めだ。明日はいよいよ母島を出港し、父島でおがさわら丸に乗り換えて父島も出港するのだ。次回投稿にて。

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