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最愛の旅先・小笠原 第1回 知ったきっかけ

会社を退社して生まれた時間。旅先を考え始めた。

2009年3月。勤めていた会社を辞めた。激務が続いてメンタルを壊してしまい、1年前から休職していたが、復職できず、辞めることに。

少しは回復が進んでいたのだが、仕事への意欲が湧かなかったこと、さらに再び激務に戻ることになってしまうと思われて復職が嫌だったように思う。

辞めたことにより、時間が生まれた。休職した1年前よりも健康を少しは回復したという点では、質の高い時間が生まれた、といえる。

退社して何週間か経って、旅をしたいと思った。子どものころから旅をすることは大好きだった(心の健康の観点からは、「何かをしたい」と思えるのは、とても大事なことのように思える)。

でも、どこに行こうか?

時間はたっぷりある。だから、どうせなら、滅多に行けないようなところがいい。しかも、行ったことのないところ。

さらに、なぜだかは分からないけれど、海を求めていた。碧い海のあるところを。

いろいろと考えているうちに、頭に「小笠原」という言葉がパッと浮かんだ。何がきっかけで浮かんだのか今となっては思い出せないのだが、とにかく「小笠原」という言葉が浮かんだのだった。

小笠原には行ったことがなかったので、行き方もわからなかったし、泊まるところも調べる必要があった。

週に1便、しかも船で25時間半もかかることに驚く!

ネットで検索して小笠原海運のHPにたどり着いた。

小笠原に行く方法は船便だけだ。週に1便のみ。竹芝を朝10時に出港し、翌日の午前11時30分に父島に到着する。同じ日本国内であるにもかかわらず25時間半かかることに、まず驚いた。

これって、日本から(飛行機の)直行便のない(地球の裏側の)南米に行くよりも時間がかかるのか!?

(2009年時点では、25時間半かかっていたが、2016年7月に3代目のおがさわら丸が就航し、2023年5月現在では24時間で行けるようになった(それでも24時間かかる。竹芝を午前11時に出発、翌日午前11時に父島到着)。なお、時期によっては「週1便」ではなく「6日に1便」となり、GW・夏休み・年末年始の多客期には「週2便ないし3日に1便」となるよう年間の運航スケジュールが組まれている。)

当時は、船旅の経験がほとんどなく、まして25時間半も船旅をするなど、想像ができなかった。未知の世界。ワクワクするものを感じさせた。

小笠原ユースホステルに泊まることに

そして宿。これまでの旅では、ユースホステルやゲストハウスをよく使ってきたこともあり、小笠原にもあるのだろうか、と思いネットを検索したら、あった!

小笠原ユースホステルのHPにたどり着いた。当時のHPデザインは今とは異なっていたと思うが、強く「小笠原に行こう!」と思わせたノリのいいキャッチーなフレーズは今も載っている!(HP下部を見てみよう)


1週間以上のフリータイムを獲得して”さあ、何をしようか”と思ったあなた、迷わず”Bonin Islands"「小笠原諸島」へ旅立とう!

小笠原ユースホステルHPより

他の旅先でもユースホステルを幾度か利用したのでユースホステルへの安心感はあった上、

この「迷わず小笠原諸島へ旅立とう!」に後押しされ、

小笠原に行く具体的なスケジュールを立て、ユースの宿泊とおがさわら丸のチケットを予約した。

おわりに

初めての小笠原の旅の日程は2009年7月8日〜19日(11泊12日)、「2航海」。

旅は計画を立てるときから始まるというけれど、初めての小笠原という未知の世界に、胸が高鳴った。

<小笠原リピーターとなった今では当たり前にいうようになった「◯航海」(◯にはおがさわら丸の航海の回数を意味する数字が入る)。
1航海とは、おがさわら丸が「竹芝を出港してから竹芝に帰港するまでの往復1回の所要期間(=5泊6日・船中2泊+父島3泊)」のこと。
2航海はおがさわら丸が2往復する期間となり、3航海は3往復する期間(以下同様にカウント)となる。
多客期の着発便(おがさわら丸が父島に日をまたいで停泊せず、到着と同日に父島を出港する便のこと)の往復に要する期間(2泊3日)は「0.5航海」となる。>


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