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最愛の旅先・小笠原 第10回 竹芝に向かうおが丸にて

船内見学ツアーに参加

2009年7月19日。父島出港の翌日の午前中、竹芝到着(15時30分)まではまだ時間があったので、船内見学ツアーに参加した(3代目おが丸の現在では、船内見学ツアーを実施していないようであるが、未確認。要問合せ)。

ガイドさんにエンジンルームや操舵室を案内していただいた。すでに引退している2代目おが丸。今振り返ると、当時見学ツアーに参加したのは貴重な経験だった。

エンジンルーム
操舵パネルの一部分
ハンドルが舵だったか?

エンジンの機械はすごいでかいなあと思い、操舵室の操舵パネルは広く、そして従事している乗組員さんも多いなあという印象を持った。

小笠原はこれまでで9回旅した(このときは、このあとさらに8回も旅することになるとは思っていなかったが)。けれども、船内見学ツアーに参加したのはこの時だけだった。次回は、(3代目おが丸の)船内見学ツアーを実施するのであればぜひ参加してみたい。

船内見学の最後だったと思うが、ガイドさんから「ハカラメ」という植物を見せてもらった。

ハカラメ。葉の縁から芽が出ている!

葉を机の上などに置いて、時々霧吹きで霧を吹くと、葉の縁から芽が出てくるとのことだ!

東京湾内に入った。もうすぐ竹芝、旅が終わる。

東京湾の海の色は、コンクリートジャングルを思い出させるように、灰色がかっている。島旅という非日常から、首都圏での暮らしという日常に、いよいよ戻ることとなる。

旅が終わることに、切なさを覚え、せっかく知り合えた旅の仲間=おが友のみんなと別れることになる寂しさも覚える。

しかしながら、この時は、竹芝で下船後に飲みに行ったりお茶したりせず、まっすぐ帰ってしまった。

旅で知り合った仲間を、自分から飲みやお茶に誘えるほどの、社交性とか勇気とか、このときには持ち合わせていなかった(社交的になれるほどにはメンタルが回復しきれていない、というのもあった)し、

誘われることもなかった(このときには下船後の飲みやお茶は、そもそも無かったと記憶する)。

ひとり旅の経験は学生時代にもあったけれども、旅先で他の旅人に話しかける経験は少なく、

小笠原のように同じ宿で3泊したり、あるいはツアーが一緒だったりして、他の旅人と多くを話す経験は初めてで、慣れていなかったこともあったと思う(この4年後、2013年には、自分から仲間を集めて飲み会を企画することになるが、当時はまだそうなると想定することはできなかった)。

いずれにしても、竹芝下船後はまっすぐ帰宅した。旅の終わりの、線香花火の最後のひとしずくが弾け終わるような、寂しさとともに。

おわりに

初めての小笠原諸島への旅が終わった。小笠原を思い出すことは、日を追うごとに少しずつ、少なくなっていき、日常の生活に溶け込んでいった。

しかし、心身の状態は仕事に復帰できる程度にまで回復せず、引き続き仕事のない状態で生活することになる。

そして、年があけて2010年になる。この2010年のGWだったと思うが、発作みたいに無性に、小笠原が懐かしく、恋しくなってくる。これについては次回投稿にて。

(2023/6/8追記 次回投稿は、この連載を始めるきっかけになった「2023年島じまん」などについて書くこととしたため、2010年GWのことについては次々回に投稿します)

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