生活者が考えるCM論(タカラスタンダードとJR東海)
①タカラスタンダードのCM
タカラスタンダードのCM、観たことありますか?
土屋太鳳さんとロバート馬場さんが登場するCMです。
初見では、キッチンや風呂場を
リフォームしたい人向けのCMだな~、と
ぼんやり観ていましたが、
「あ、これ働きたい女性向けでもあるのか!」
と気付きました。
要は、アドバイザーの採用目的です。
何を言っているかというと、
土屋太鳳さんがショールームで働く
アドバイザーとして登場するのですが、
きっちりとした制服と言葉遣いで
本物さながらの対応を見せてくれます。
もし仕事を探している方がこのCMを観たら、
「こんな働き方もありかも!」
と思う方が出てくることでしょう。
よってこのCMの目的は、
・リフォーム需要の喚起
・アドバイザーの採用
の2点だと思いました!
この気付きから、CM制作のポイントを学びました。
それは、
視聴者がCMの登場人物に自分を重ね合わせ、
そんな自分に憧れを持てるかどうか?
です。
タカラスタンダードのCMは、
ロバート馬場さんが消費者に、
土屋太鳳さんが求職者に
「こんな人生良くない?⤴」
「こんな自分にならたら最高じゃない?⤴」
と提案しているのです。
◎JR東海(X'MAS EXPRESS)
お次はJR東海。
1988~1992年のクリスマスシーズンに
放送されたX'MAS EXPRESSシリーズ。
何度も観てしまいます。
このCMは
「愛情」を想起させて、
「あの人に会いたい!」
という気持ちを持ってもらい、
人の移動を促すことを目的にしたCMです。
CMなので商業の映像ではあるものの、
恋人を待っている時の緊張感や、
会いたい人に会えた時の喜びをストレートに表現していて、
人間らしさが全面に出ている美しいCMです。
CM終盤に流れるキャッチコピーも胸に響きます。
帰ってくるあなたが最高のプレゼント。
あなたに会いたい人も、
きっとあなたに会いたい。
会えなかった時間を、
今夜取り戻したいのです。
東京-大阪間くらいなら
すぐに切符を買ってしまいそうです。
急に話のテイストが変わりますが、
当時の日本の若者は
経済的な余裕があったから
新幹線に乗って恋人に逢いに行ったり、
クリスマスにディナーを楽しめたりできたのでしょう。
しかし今、そのような楽しみ方をできる人が
果たしてどれくらいいるのでしょうか?
2019年の厚生労働省の調査によると、
20代の17%が貯金ゼロ、32%が貯金50万円未満だそうです。
つまり、20代の約半数が貯金50万円未満です。
世の中お金が全てではないですが、
人生を充実させる手段としては
やっぱり必要ですよね。
まずは経済的な余裕を持ってもらうこと。
それが大事だと改めて思いました。
お読み頂きありがとうございました!
Have a nice day!