半導体不足のWhy so?

半導体不足で自動車メーカーの生産台数が減っています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f3b77818d458a5f970da4922da72671541d627f2


今日は半導体不足について考えます。


私がニュースを読んで考えることはたった2つ。

・Why so?(なぜそうなのか?)
・So what?(するとどうなるのか?)

どちらも5回くらい問います。
実際にやってみましょう。


【Why①】なぜ半導体が不足しているのか?
     
➢需要と供給のバランスが崩れているから。


【Why②】なぜ需要と供給のバランスが崩れているのか?
     
➢今回のケースは、需要が高くなり、供給が追いついていないから。


【Why③】なぜ需要が高く、供給が追いついていないのか?

➢需要が高い理由は主に3つ。

・自動車とインターネットを繋ぐために、半導体の必要量が増えたから。
・5G基地を全国に設置するにあたり、基地用の半導体需要が増えているから。
・全世界的にスマホが普及しているから(特にアフリカ)。

➢供給が追いついていない理由は主に2つ。
 
・ファウンドリ(製造を委託される企業)が少ないから。
(台湾のTSMC、韓国のサムスン、イギリスのインテル等)
    
・高性能の半導体を製造できるのはTSMCのみだから。
(ここで言う高性能とは、配線の細さのこと)


【Why④】なぜファウンドリが少ないのか?
     
➢TSMCは約30年前から持続的な超大型投資を重ねており、技術面でも生産面でも他社が追いつけないレベルに達している。その結果、TSMCへ一極集中する状況となっているから。

ちなみに、1970年代までは日本の半導体事業は技術、生産量ともに世界一。しかし、日本の過度な競争力の高さをアメリカが問題視し「日米半導体協定」を締結。日本の半導体事業の競争力が削がれることに。そこにバブル崩壊が直撃。儲からない半導体事業は撤退。切り捨てられた半導体技術者は韓国企業に引き抜かれ、サムスン台頭。

【Why⑤】なぜTSMCは30年前も前に大型投資を決断できたのか?

TSMC創業者の張忠謀(ちょうちゅうぼう)が柔軟な思考の持ち主だったから。

1970年代、台湾は日本に倣い半導体産業を振興しようとした。しかし、台湾国内に設計を担える人材がいなかった。このような状況から「他社が設計した半導体の製造だけを担うファウンドリを立ち上げたい」という奇想天外な着想を得た。


本日はここまで。
明日はSo what?を考えてみたいと思います!


っした。(ありがとうございましたの意)