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なんか、包まれている

右手が動かん

『なんやこれ・・・』

と心でつぶやく エリカ


かすみが晴れて

目が見えるようになった

白い天井


そこに、ムクっとうっとうしい顔が現れる


「大丈夫ようやな・・・

すごかったらしいで

ちゅうまっとったて

スーパーマンみたいやったてと」

オヤジ・・・・視界から消えたかと思うと

ベットが心もち起き上がってきた

『ラクや・・・』

「どや、ちょっとラクやろ

これで話せるな

先生やと、べっちょないと

3日で帰れるようやで

頭はうっとらんかった

ええ、受け身やったみたいやな

右腕こっせつだけ

そやから、英語の勉強始めれるで

安静の必要もないって


英語学校やけどな

父ちゃんの知り合いで海外赴任経験者に聞いてみたは

なんか、コーチング式がええらしい

申し込んどいたからな」

と、いうオヤジが、おもむろに水差しを顔に持ってくる

「オレンジジュースや

好きやろ」

「あ、ありがとう

のど乾いた」

とっ言って飲み干す

「でも、なんか飛んでる時にみたで

黒い車

あれやばいんちゃうん」

「いや、あれは社用車や

会社の偉いさん

そやから100%向こうが悪い

大丈夫や」


そうなんや

右腕が重いな

石膏やこれ

今時・・・・


でも記憶が曖昧やな

エリカは思った

そういえば、黒い車の他に何かみやんやけど

『なんやったんや・・・』

あかん、思い出さん


ひたいの少し仲がうずく

疲れたかな

「もうちょっと寝る」

と言って、目をつぶる エリカ


すぐに眠るに落ちる

そこには、白い霧が浮かんでいる

また、霧の向こうに光が見えてきた

エリカ は近づいていく

すると、頭の中にエコーが響いた

『なんじ えらばりしもの』

といったような気がする エリカ

そこから会話が始まった


――――続く

>> クリエイティブライフONE


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