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雨の日

実は割と雨の日が好きだ。
(と言っても、家にこもっている日に限るのだが)


子どもの頃は雨がすごく嫌いだった。
暗いし、寒いし、濡れるし、なんだか気分も鬱陶しい。
傘という荷物も増えるし、学校に忘れたりする。

子どもの頃だけじゃなくて、大人になってからも嫌いだった気がする。
大学に行くのもめんどくさい。
仕事は屋内だからまあ出勤してしまえばいいけど、でも廊下は滑るし、外の空気も吸えないし、なんだか気分がふさぎ込む。

でもいつからだったか、雨の日が好きになった。
雨が降るたびに「あーあ」「はぁ・・・」と思っていた自分に気が付いた日があった。
「なんか、こうやって雨が降るたびに気分が落ち込むのは、人生損してるんじゃないだろうか」
その日から、雨の日を嫌うことをやめた。

次の課題は「雨の日を好きになる」ことだった。
でもこれは簡単だった。
ある雨の日、ソファーに座って窓から外を眺めていた。
そしてふと思った。
「なんかこれ、ちょっと映画とかドラマのワンシーンっぽい」
単純すぎて恥ずかしいのだが、これで雨の日が好きになった。

一度先入観を取り払ってみると、「なんか雨の香りが良き」とか「これは休めってことだなー」とか、都合の良い感覚・解釈ができるようになった。


休みの日に雨が降ると、よくこのエピソードを思い出す。
そんな日は、多少ゆっくりして良いのだと思うことにしている。

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