モロー反射
大人になってこんなに激しく腕を伸ばしたことはないな。
夕飯の後、皿洗いをしている。食器が触れ合うカチャカチャよいう音、水流の水音、それから蛇口を捻る音。少し大きな音がすると赤ん坊は、さも人生一番の衝撃に直面したというように腕をぱっと、めいいっぱい上に向かって伸ばす。実際人生一番の驚きなのかもしれないが…。
この音に対する反応は、明るさや温度の急激な変化に対しても起こるらしい。名前はモロー反射。オーストリアの小児科医、エルンスト・モローが発見したそうだ。別名、抱きつき反射ともいい思い切り飛びついて抱きつくようなポーズにも見える。映画「ハリー・ポッターと秘密の部屋」のラストシーンでハーマイオニーがハリーに飛びついて抱きついたシーンがあったが、まさしくあのように腕を伸ばせるだけピンと伸ばしたちょっと欧米風のハグポーズだ。
なぜこのようなポーズを取るのかというと、乳児が親に抱きついたり、不意の出来事があったときに身の回りのものに掴まったりするためらしい。ミルクを与える時、抱き上げるときにこのポーズをしてくれると確かに抱っこしやすい気はする。
このポーズは原始反射というらしく、他にも手のひらに触れると握る把握反射や、唇に触れると探る捕捉反射などがあるらしい。
モロー反射は成長とともになくなってしまうもので、だいたい4ヶ月ほどの間しか見られないらしい。あまり頻発させると反射の動きにびっくりして起こしてしまったり、泣かせてしまったりするのだが、今のうちにその可愛らしい反応を見ておきたい。
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