OLLコントロールの方法を考えてみる

この記事では出来る限り習得が簡単で現実的なOLLをコントロールする(スロットインを変化させて有利なOLLを引く)方法を考えてみます。

想定する場面

この記事で紹介するテクニックを使う場面はF2L#4でI型(R U' R'でスロットインできる1*1*2の形)を引き、そのままスロットインするとエッジが2個揃っているOLLを引き、スレッジハンマーなどでエッジコントロールを行っても全てのエッジを揃えることは出来ない場面です。エッジではなくコーナーを操作します。

スロットの位置はどこでも構いませんが、解説はFRスロットで進めていきます。

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I型に限定するのはスロットインのバリエーションが豊富なためです。エッジ2個の場面を想定するのは、揃っているエッジが0個の場合はスレッジハンマーによるエッジコントロールが優秀で、それ以上エッジを揃えようとする操作は決してコスパが高いとはいえないと考えているのと、4個のエッジ全てが揃う場合は十分有利な状況ですし、コーナーも揃えてOLLskipを狙うのはWV(Winter Variation)というsubstepなのでここでは考えないためです。

有利なOLLに共通した特徴を考える

この記事で紹介するテクニックではエッジ2個が揃ったOLLの内、出来るだけ有利な(手数の少ない、回しやすい)ものを引くことを目指しますが、そのためには、
①有利なOLLのパターンに共通する特徴
②その共通した特徴を作り出すスロットインの方法
が必要です。

エッジ2個が揃ったOLLで有利なものといえば、最も手数の少ない6手OLLです。次点で8手のOLLも十分手数が少なく回しやすいと言えると思います。

これらのOLLに共通する特徴を持つOLL(6手、8手以外も含む)に不利な(手数が多い、回しにくい)OLLが含まれていなければ良いと考えます。

OLL37(8手)を除く6手OLL、8手OLLに注目すると、(コーナー)(エッジ)(コーナー)が一直線に揃っていることが共通しているとわかります。※以下ではこの状態のことを”バー”と表現します。ex.バーがある、バーを作る

6手OLL、8手OLL以外も含めてこの特徴を持つエッジ2個が揃ったOLLの番号を列挙すると、

6手 43 44 45
8手 33
9手 28 57 31 32

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となり、バーを作ることが出来れば最大でも9手で、8手以下のOLLを引くことも多そうです。筆者の主観ではこれは十分有利です。ちなみに57, 28は洲鎌さんが単発NRを出したときのOLLとその逆再生です。

バーを作る方法

バーを作ると有利になることがわかったので作る方法を考えます。エッジの数はそのままでいいので出来ればRU-genで、OLLskipは狙わないので手数の少ないスロットインが良さそうです。

エッジの数はそのままでスロットインを変化させる方法はWVが網羅していそうなのでその中から手数の少ない以下の2手順をピックアップします。

WV7(U R U R' U' R U' R') スロットインとanti-suneのキャンセル
WV18(U2 R U2 R') スロットインとsuneのキャンセル

この2手順のいずれかがバーを作るかどうかを判断してスロットインをするわけですが、OLLskipするわけでもないのに複雑な判断基準を採用することはタイムロスだけでなく、習得に対するモチベーション不足に繋がりますので極力簡単な判断基準が欲しいです。

※各手順でどのパーツがバーを作るかは手順の逆再生で作った状態と完成状態を比較すればわかります。

WV7, WV18でバーを作るパーツを調べると、共通してUFエッジのEOが正しいかつ、WV7ではUBLとUBRのCOが正しく、WV18ではBULとBURステッカーがクロスの対面色になります。WV18ではUBLとUBRが同じ色の場合もこれらのパーツがバーを作るとわかります。(左:WV7 右:WV18)

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この判断基準なら簡単なので気軽に実践出来るのではないでしょうか。これ以外のバーを作るパーツは面倒なので捨ててしまっていいと思います。

また、手順がregripのない2genなのでFR以外のスロットでもこのテクニックを使うことはそれほど難しくないはずです。

2側面OLLと合わせて使おう

ここで紹介するテクニックと合わせて是非使ってもらいたいのが、OLLを2側面から回せるようにしておくテクニックです。

先に挙げたこの記事で紹介するOLLコントロールを使った場合に引く可能性のあるOLLの大半(28, 57以外)は左右あるいは前後ミラーの手順を覚えるだけで2側面で回すことが出来ます。以下に手順を載せておくので是非覚えてみてください。

6手
43
y R' U' F' U F R
y' r' F' U' F U r

44
 y2 F U R U' R' F'
f R U R' U' f'

45
F R U R' U' F'
y2 F' L' U' L U F / y2 f U R U' R' f'

8手
33
R U R' U' R' F R F'
y2 L' U' L U L F' L' F

9手
31
R' U' F U R U' R' F' R
L' U' B U L U' L' B' L

32
R U B' U' R' U R B R'
y2 L U F' U' L' U L F L'

おわりに

実際のところ、この記事で紹介したテクニックでソルブの手数の削減はそれほど期待できなさそうです。WV18では無視できそうですが、WV7ではスロットインを変化させるために4手かけています。WV7を使った結果5手以上OLLの手数が小さくならなければ却って損なわけです。

考案した本人としては、回しやすいスロットインの変化の結果、回しやすくて手順前のAUFで少なくともU2は必要がないOLLを引くことが出来るところに手数以上のメリットを感じてもらえればいいなと思います。気に入った方は是非使ってみてください。

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