魅力的な身体をつくるために必要な筋トレは

誰しも一度は「痩せたい」とか「筋肉をつけたい」とか、より魅力的な身体になりたいと思ったことがあるのではないでしょうか。そもそも魅力的な身体とはどんな身体なのか、またそれに近づくにはどのような筋トレが必要なのか考えてみます。

身体の評価は「プロポーション」

魅力的な身体と聞くと、とにかく痩せていて細い身体と想像されるかもしれませんが、個人的にはプロポーションが魅力的な身体を考えるうえで重要な尺度であると考えています。

proportionは日本語で「割合、比」という意味です。プロポーションが優れているというのは太くあるべき部分が太く、細くあるべき部分が細い、また太い部分が細い部分に比べて相対的に大きいということです。女性の魅力的なプロポーションを表すのに「ボン・キュ・ボン」と言われることがありますが、これはバストとヒップに対してウエストが小さいということです。一部の人がとにかく細い身体を理想としがちなのもプロポーションの良し悪しで説明することが出来ます。

仮にある人のバスト、ウエスト、ヒップのサイズの比が3:2:3だったとします。そのまま全体的に均等にサイズダウンして2:1:2の比になったとします。すると、バスト、ヒップの太さに対するウエストの太さは最初の状態より小さくなりプロポーションが改善したことになります。ですからより細い身体が魅力的だと感じるのも実はプロポーションの問題だと考えることが出来ます。

全体的なサイズダウンをエスカレートさせていくと更にプロポーションとしては改善していきますが体重を際限なく減らしていくことは決して健康的とは言えませんし、骨格と言う絶対的な限界があります。

では健康的にプロポーションを改善し続けるにはどうしたらいいでしょうか。

筋トレをしよう

そのために必要なのは筋トレです。筋トレを伴わない一般的な体重の増減では脂肪の量だけが主に変化するので身体が全体的に大きくなったり小さくなったりするわけです。筋トレによって部分的なサイズアップが出来れば身体全体の脂肪の量は同じままでもプロポーションを改善することが可能になります。筋トレによってプロポーションが改善した状態で更に脂肪を落とすことで全体的に小さくなれば更に良く見せることも可能です。

例えば、顔の脂肪をダイエットによって落とせば絶対的な大きさを小さくすることが出来ますが、顔の近くにある肩の筋肉を発達させることによって相対的に顔を小さくみせることも出来ます。徐脂肪と筋トレ両方を組み合わせることでより高い効果が期待できます。

では具体的に筋トレによって身体のどの部分を太くすることでより魅力的な身体になるでしょうか。

どの部位を鍛えるか

魅力的な身体を運動能力が高そうに見える身体と言い換えて考えてみます。行う運動によって求められる能力は違いますが、ここでは運動能力が高いとは四肢を強く、素早く動かせることだとします。そのためには四肢自体は細く(軽く)、四肢を動かす筋肉のある体幹部は太く発達しているのが有利になります。

その考えに基づいて身体の部位を分けると

・積極的に鍛えるべき部位

胸、背中、肩、臀部、腹

・適度に鍛えるべき部位(重すぎて動作の障害にならない範囲で)

腕、大腿

となります。(ただし、胸の筋肉は実際のスポーツの動作ではそれほど使われないという意見もよく聞かれるので後者に分類することも出来るかもしれません。)

ここで注目して欲しいのは、部位に関わらずとにかく筋肉が大きければよいわけではないことです。積極的に鍛えるべき部位(胸、背中、肩、臀部、腹)を鍛えることで逆三角形の身体を強調することが出来ますが、適度に鍛えるべき部位(腕、大腿)の筋肉をつけすぎると素早く動けなさそうな鈍い印象を与えかねません。腕や大腿部の筋肉をトレーニングする場合は特に他の部位とのバランス感覚が必要になってきます。

プロポーションを改善して魅力的な身体をつくるには、体幹部の筋肉を積極的に鍛えることと脂肪を落として全体的に絞ることを優先して、四肢の発達は体幹部に釣り合いのとれた範囲で個人の好みに合わせて鍛えるのが良いのではないでしょうか。

美的評価は主観的

魅力的な身体とはどんな身体かプロポーションという観点から出来るだけ客観的に考えてみましたが、それでも美的な評価というものは主観的です。

多くの男性トレーニーが全身の筋肉を出来る限り発達させた身体こそがかっこいい身体であると考える一方、世間ではほとんど筋肉が発達していない細マッチョなる身体がかっこいいと持て囃され、過度に筋肉が発達した身体は需要が少ないとされているようです。

個人的にはこの世間とトレーニーの考えのギャップはプロポーションに対する感覚の違いから来るのではないかと思います。世間は身体の良し悪しを測る知識がトレーニーと比べると少ないため、直感的に運動能力が高そうな体幹部の筋肉が発達した身体を高く評価する傾向にあるわけです。それに対してトレーニーたちは「脚を鍛えないのは根性がない」だとかウエイトトレーニングやボディービルの価値観に晒されていく中でスポーツの動作では重りになる部位(大腿、腕)も極度に発達させるべきと価値観が変化していくのではないでしょうか。

ボディービル的な価値観を持つこと自体はもちろん悪いことではありません。特にコンテストで結果を残そうと考えれば必要になるでしょうし、単にそういう身体が好きということもあるかもしれません。とはいえ自己と世間の価値観のギャップに無自覚なまま自分の望む評価を得られない方向に努力していまうのは避けたいところです。

これから筋トレを初める人はもちろん、既に経験がある人も、より広い層に評価される身体を作りたいと考える場合は、個々人の主観的な美的感覚だけでなく自分が取り組んでいることがプロポーションの改善に貢献するかという視点を今まで以上にもって筋トレに励むことが重要なのではないでしょうか。

最後にこれから筋トレするという人向けにジムに通わなくても出来る積極的に鍛えるべき部位の種目を簡単にですが紹介します。

ディップス:胸、三角筋前部、上腕三頭筋

本来平行棒を使う種目ですが、自宅でも椅子などを利用して行うことが出来ます。

チンニング:背中、上腕二頭筋

懸垂のことですが、公園などに行くのが良いでしょう。

サイドレイズ:三角筋中部

フロントレイズ:三角筋前部

リアレイズ:三角筋後部

サイドレイズなどのレイズ系の種目は動作を正確にすれば2~3kgの負荷でもある程度の効果が期待できます。ペットボトルとタオルを組み合わせてダンベルの代わりにするといいかもしれません。

ブルガリアンスクワット:臀部

ブルガリアンスクワットは片脚の種目なので通常のスクワットと比べると同じ負荷を得るために必要な重量は少なくなります。本をたくさん入れたリュックを背負えば十分な負荷になるでしょう。


モデルプログラム(週に二回のトレーニング)

A: 公園(鉄棒、平行棒がある)

ディップス→チンニング 2セット

B: 自宅

ブルガリアンスクワット 1セット

サイドレイズ、フロントレイズ、リアレイズ 2セット


細かいやり方などはyoutubeなどで調べてみて下さい。ツイッターのDMなどで質問していただければ答えるかもしれません。


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