F2L手順の使い分け

エッジのみが揃っていてコーナーのクロス色がU面を向いているF2Lにおける個人的な手順の使い分けについての記事を書きます。手順を覚えるついでに僕の手順の取捨選択の考え方が伝わればいいと思います。

「エッジのみが揃っていてコーナーのクロス色がU面を向いているF2L」というのは以下の画像のようなものです。([R U R' U']*3で作れます。 )

画像1

このF2Lは、①R U R' U' R U R' U' R U R'(11手)で揃えることが出来ますが、コーナーの開始位置によっては異なる手順を使うことも出来ます。

画像2

※最初のF2LからU

②R U' R' U R U' R' U R U' R'(11手)

画像3

※最初のF2LからU'

③R U R' U' R U R' U R U' R'(11手)

AUFを考えなければ、ひとつのF2Lに対して少なくとも3つの手順があることがわかりました。どの手順も手数は同じ11手ですから上に書いた通りに使い分けるのがよいと思われるかもしれませんが、個人的には解く速さを求めるなら

・regrip (手順の前中後)※regripは日本語で表すなら「持ち直し・握り直し」です。(キューブの回転は起こりません)両親指がF面上にあるのを初期状態として想定しています。

・トリガーとプッシュの回数


まで考慮した手順の選択が必要だと考えています。

それらの観点について先ほどの3手順を見直してみます。

画像4

①R U R' U' R U R' U' R U R'(11手)

この手順は二通りの回し方が考えられます。

(1)regripをする方法

手順前にR'方向に右手首をregrip、手順後にR方向に右手首をregrip

Uは右トリガー(3回)、U'は左トリガー(2回)

(2)regripをしない方法

Uは左プッシュ(3回)、U'は左トリガー(2回)

この手順はregripを2回するか、プッシュを3回する必要のある手順だとわかりました。regripをしている間はキューブの回転が止まっている状態ですし、練習を重ねてもプッシュはトリガーよりも速さ、正確さで劣るので、どちらも可能なら避けたいものです。

regripかプッシュの多用を避けられないこの手順は解く速さを求めるならあまり良い手順とは言えなさそうです。

画像5

②R U' R' U R U' R' U R U' R'(11手)

この手順の回し方は一通りしかないでしょう。

regripなし、Uは右トリガー(2回)、U'は左トリガー(3回)

regripもプッシュもないこの手順は速く解く目的に向いていそうです。

画像6

③R U R' U' R U R' U R U' R'(11手)

この手順は二通りの回し方が考えられます。

(1)regripをする方法

手順前にR'方向に右手首をregrip、手順後にR方向に右手首をregrip

3回目のUは左プッシュ、それ以外はUは右トリガー(3回)、U'は左トリガー(2回)

(2)regripをしない方法

二つ目までのUは左プッシュ(2回)、それ以降はUは右トリガー(3回)、U'は左トリガー(2回)で手順を回す

「手順前後のregripとプッシュ1回」か「プッシュ2回」が必要な手順だとわかりました。個人的には(2)regripをしない方法の方がこの手順は回しやすく、2回のプッシュもそれほどスピードの障害にならない回し方だと感じます。

ここまで書いたことをまとめると

①R U R' U' R U R' U' R U R'(11手) →regripかプッシュの多用が避けられない、回しにくい

②R U' R' U R U' R' U R U' R'(11手)→regripもプッシュも必要ない、回しやすい

③R U R' U' R U R' U R U' R'(11手)→regripは必要ないがプッシュは必要、回しづらくはない

と②③①の順番で回しやすいことがわかります。それを踏まえて僕はコーナーがどのスロットの上にあるかによって使う手順を以下のようにわけています。

RF, LF, LB→②R U' R' U R U' R' U R U' R'

RB→③R U R' U' R U R' U R U' R'

③の手順が使える時はそのまま、それ以外の時は必要ならAUFして②の手順に持ち込んでいます。これは「RFスロットの上にコーナーがある時に①の回しにくい手順を使うこと」と「AUFで一手手数が増えてでも回しやすい②の手順を使うこと」を比較した結果後者の方が”速い”だろうという判断です。

この記事で言いたいのは決して、僕がこのようにF2Lの手順を使い分けているから読んだ人もそうしようということではありません。僕が言いたいのは、regripやプッシュの回数、手数などによって手順の比較をした上で、最終的には”速いか”どうかを取捨選択の決め手にしようということです。僕がしているように一手増やしてでも回しやすい形に持ち込んだ方が”速い”ケースもあるでしょうし、数字だけで見るとregripやプッシュが多い手順でも人によってはその方が速い場合もあると思います。

この記事ではRFスロットの場合だけを取り上げましたが、重い腰を上げて書く気になったらRBスロットの場合や、対角に正しいEOでエッジが入っている場合についても書くかもしれません。書いて欲しい人は100万円くらいでかまわないので支援してください!

この記事で使用した画像はVisualCubeで作成しました。

また、この記事の公開にあたってまっしゅさんに内容の確認のお願いをしました。ありがとうございました。

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