18歳から30歳までのあらすじ

30歳になりました。東京に来てからの12年間を思い出すために、やった仕事とか出会った人の長い年表を作ったけど長いので、それぞれの年のタイトル『こんな年だったなという見出し』と、ざっくりしたあらすじにまとめた。12年を思い出すっていうのは結構難しいことでしたが楽しい。

・2006 18歳『おもしろいこと』
東京造形大学の映画専攻に入学した。作ることと遊びがつながっている友人にはじめてたくさん出会えたので、毎日『作る』と『遊ぶ』がボーダーレスな世界で遊べてとても楽しかった。友達と短編映像を撮ったり、音楽を作ったり、絵を描いたりする。これが4年間続く。

・2007 19歳『つくるひとの覚悟』
映画学科で習うのロケハンや段取り的な工程がなかなか苦手で、絵を書き始める。夏休み、プロの立体作家さんのところにアルバイトに通った。作ることを仕事にしている人の現場を始めてみて衝撃を受ける。ものすごい緊張感と、手を動かす人の美しさ、仕事の早さ。

・2008 20歳『技術とクオリティ』
となりの大学の多摩美術大学のフリマに出店するために小作品やグッズを作り始める。始めてつくった物に値段をつける。値段に相応しい価値としてまずクオリティがあり、そのためには作者の技術が必要であると理解する。価値付けの基礎だと思う。

・2009 21歳『展示をしてみる』
大学の先生の計らいで日本画を始める。自分たちでギャラリーを運営したり、個展を頻繁に行う。そんななかで学校の外の人間とも知り合う。武田なんかともこの頃であった。

・2010 22歳『制作と生活』
学部を卒業し大学院に入る。大学院は日本画を勉強するために絵画科へ。入った途端、範宙遊泳の山本と知り合い演劇の舞台美術を始める。はじめ演劇に抵抗感があったが、快快『芝浜』で演劇の常識を覆され、こんなものを作りたいと思うようになる。春にmograg garageで個展をする。作品を作りながら生活している人にたくさん出会い、作品と生活について考える。

・2011 23歳『アートおもしろくないな』
大学院での美術についての講義がどれも面白くない。皆、現代美術であることに固執しすぎているのではないかと考える。そんなとき、カオスラウンジのことを知って興味をもつ。作品やムーブメントについて饒舌に熱く語れること、それが学校という閉ざされた場でなく、社会を巻き込んだ開かれた場で起こっていることが刺激的だった。

・2012 24歳『とりあえず作る』
大学院を卒業する。就職先がとくになかったので施工のアルバイトをしながら絵を描く生活を続ける。夏に『1_WALL』に入選・展示したことであとにもどれなくなり、イラストレーターと名乗り出す。たまにくる仕事に必死にとりくむ。

・2013 25歳『仕事&社会ってなに』
映像作家の大月壮さんがtwitterでドット絵を打てるグラフィッカーを募集していたので『できます!』と会いに行く。ほんとうはぜんぜんできなかった。はじめて振られた仕事はなぜかぬいぐるみの制作で、戸惑いながら始める。大月さんには納期や予算、作業工程、Photoshopの使い方など仕事的なあれこれを教えてもらう。

・2014 26歳『スケールを無理やり上げる。大きな変化とエモさ、混沌』
このままではいけないと思い無理やり施工のアルバイトを辞めた。もっとイラストの仕事が来そうな業界で働くために、KAI-YOUにバイト面接に行くが落とされる。KAI-YOUで席だけもらい、オフィスに居候する。イラストや映像の仕事が少し増える。冬に京都で個展をする。武田が下北沢に『ニートピア』を建国し、楽しくてたいへんな混沌に突入。占いが好きになる。

・2015 27歳『引き続き混沌、良いものとは』
楽しくて大変な混沌は続く。KAI-YOUは池袋から渋谷に移動し、一緒についてゆく。イラストはメジャーな仕事をいくつかいただく。と同時に、美術についてふたたび考えることが増える。夏に京都の案件でプログラマーの平野くんに出会う。『摩尼遊戯TOKOYO』のver.01を共同制作し、福島のカオスラウンジで展示する。絵文字で絵を描くのにハマる。

・2016 28歳『社会にアクセスする』
混沌が終わりなんとなく落ち着く。春にピクセルについてのグループ展『ピクセルアウト』を行う。ベンチャー系の人たちと知り合い、今まで触れたことがない価値観や生活スタイルを知る。お金を稼ぐことや価値についてどうやら甘かったようだと考え直す。秋に『摩尼遊戯TOKOYO』のver2を持って京都の試遊会に出す。冬に梅ラボと二人展をして、レンチキュラー作品を始めてつくる。

・2017 29歳『問い直し』
生活をゼロに戻して必要なものを再度考える。新居には冷蔵庫とか置かないでご飯は床で食べるなどから始めて、必要だと思ったシステムだけ導入する。(結果、仕事空間だけやたら充実してしまった。)自分が好きな価値観のものを整理する。春に範宙遊泳で初の脚本を書く。夏に個展『有無ヴェルト』を行う。冬に金田と二人展を行う。春にクラウドファウンディングで資金集めをした『摩尼遊戯TOKOYO』ver3が半年遅れて冬に完成してほっとする。ゲーム作りは本当に楽しい!

・2018 30歳 『強度をあげる、腰を据えて作る』
昨年とはちょっと違う感じの案件がいくつか入る。じっくりと取り組めるものが多いので、長く残るもの、そして質感があるものをつくりたい。生活も、去年崩したものを再構築してみる。次のゲームを作るのもとても楽しみ。焦らず、腰を据えて生きたい。

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