ごはん消滅

福岡出張の朝、ビジネスホテルで朝食ビュッフェで驚いた私。
早朝で15名ほどの宿泊客中、ごはんと味噌汁をよそっているのは
私と太めのおじさんだけでした。
後の、若いカップル、家族連れ、老夫婦・・・・みなさん、パン食。
ある若いカップルは、がめ煮、高菜炒め、ほうれん草胡麻和えを選ぶが
メインは、ウインナーとスクランブルエッグとポテトフライ、
ご飯、パンどっちチームも生野菜とドレッシングは必須。
お茶を飲む人は、私だけでした。
ご飯を大盛りしたおじさんは、飲み物は、牛乳。デザートはヨーグルト。
パンと言っても、クロワッサンやブリオッシュなどお菓子系のパンを選ぶ人が多い。食パンを選ぶ人はほぼゼロ。
これが日本の朝ごはんの平均的な現状だと思いました。

なぜ、米を食べなくなったのか?
米離れは、和食消滅だけではなく、和食文化が消滅する危険性があると感じている。

noteでぼやいたおかげか?今年は東京でも久しぶりに「ぬか床の起こし方」講座を開講できました。昨日は、福岡市西部ガス主催で同じ講座を開講させていただきました。な、なんと、人気講座でキャンセル待ち、抽選となったらしい・・・・。まさか?なんで、福岡の人が?と半ば信じられない気持ちでのぞみました。
しかし、実際に参加者は、とても熱心で、真剣に聞いてくれ、講座後も質問に帰ろうとしない人も続出。
とっても嬉しかったですね。

ぬか床は、一説によると、福岡県北九州市の小倉で生まれたとされています。郷土料理「ぬか炊き」は今でも小倉で愛されている。
しかし、福岡市となると知らない人もいるし、地元でも若い人は、食べたことがない・・・という人も多いそうだ。
そのぬか炊きも、受講生たちは、完食してくれた。
今回は、あえてきゅうりやカブではなく、ぬか漬けも、ビーツ、パプリカ、ズッキーニなど洋野菜にしてみた。変わりぬか漬けとして、エダムチーズとゆで卵、こんにゃく。
ぬか床のメンテナンスの方法も、しっかり伝えることができました。

前回のnoteでぬか床の凄さを、昭和の暮らし研究家である小泉和子先生のお話をお伝えした、
ぬか床に魚をぶち込んだら、しばらくしたら消えていた・・・・という怪。
ふと、私は思った。
人間も、ぬか床に埋めたら、分解されるんじゃないかと・・・・
つまり、完全犯罪ができるのではないかと・・・・怖い〜〜〜〜。

さて、ご飯に話を戻そう。
かつては、一汁一菜、二菜という粗食でした。
ごはんと味噌汁と漬物、佃煮 そんな程度の食事だった。
美味しい漬物さえあれば、ご飯は何膳もいけた。
ほぼ炭水化物生活だったはずだ。
でも、今の方が、生活習慣病、肥満も多いのはなぜだろう?
ごはん=炭水化物=糖質ダイエットの天敵
もちろん、夜遅くや、ラーメンライスなど炭水化物の重ね食いは決して
よくない。
ぬか漬けは、元の野菜よりビタミンB類は10倍〜20倍も増えるという。
ビタミンB類は、糖質の代謝を促進させる大切な栄養素。
つまりです。
ごはん、味噌汁、漬物は、一見、アンバランスの糖質の塊のように見えても
ぬか漬けがちゃんとカラダの中で、ちゃらにしてくれていたということです。

和食=ヘルシーという括りは実に浅いし、軽い。
和食の素晴らしさは、レシピや調理法もさることながら、
それにまつわる、発酵醸造フードが和食の基礎を作っているという裏方にあるのだ。
ぬか床やぬか漬けは、その典型的なものだと思っている。
ファースナー式のぬか床では、それを感じることはできない。
簡単便利で安価なものから、入るのがいい!
初心者は、これで十分よ、ぬか漬け最高!
発酵食やってる、ぬか漬けやってます〜〜!
私、違うと思う。
ファースナー式のぬか漬けからは、微生物の素晴らしさや
ぬか漬けの和食への貢献度は、伝わらない。

だから、途中、美味しく無くなったり、カビが出たら、
ぽい! 捨てるのだよ。

いつから、ぬか床は、使い捨てるものになったのだろうか。

そんな私のぼやきを昨日の福岡での受講生の皆さん、
吹き飛ばしてくれました。

本物を求めている人は、まだまだ、いたんだと。
ありがとうございました。
ぬか床の起こし方講座は、6月24日、オンラインで配信します。
申し込みはタカコナカムラホールフードスクールまで。


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