たかが、梅エキス

今年も無事に「梅エキス」を仕込むことができました。
めでたい!めでたい!
なぜ、私は、こんなに「梅エキス」を仕込むことが好きなんだろうか?

「梅エキス」といえば、「ムメフラール」について語らせて欲しい。
この成分は、1998年に発見されたもので、血液が原因で起こる疾病、血液サラサラ効果を始め、近年では、インフルエンザウイルスを駆逐するというデーターまである優れものなのです。
梅に含まれる糖「5-ヒドロキシメチルフルフラール(HMF)」とクエン酸がゆっくり加熱されることによって結合し、生まれる成分なので、
青梅をするおろし果汁のみを鍋で2〜3時間煮詰め、飴状になったもの。1kgの青梅からわずか20g程しか採れない、貴重なものだ。

なぜ、こんなに手間暇のかかる作業を、決して暇ではない私が
やるのか?とふと考えてみました。
鍋に入れた梅の翡翠色の果汁は、2時間半を過ぎると、次第に黒くなり、
ドロドロと粘度が高くなってくる。
そして最後の5分が超、重要。
いつ火を止めるのか?で梅エキスの仕上がりが違う。
上手にできた時のあの高揚感!達成感、半端ない。
なぜだ、なんなんだ、これって・・・・・

近年、手作りや手しごとをする人がめっきり減ってしまった。
味噌も梅干しも買うもの。
みんな忙しいし、買った方が安いしね・・・・・
料理をする人も激減。
コロナ禍でお家時間も増えたんじゃないの?
料理をする人も増えたんじゃないの?
料理の質がそもそも変化しています。

野菜も肉を切ってあるものと調味料をチャチャと混ぜて完成
コンテナに野菜や肉、食材を入れて、出来合いの調味料を加え
レンチン。
コンテナに食材と調味料をセットして、
「お昼はチンして食べてね」
私から言わせると、これは料理ではない、「餌」だ。
料理は栄養になるから
私たちは食べたものでできているからね
美容や健康のためだけに料理を食べているのではないと考えている私。
そうであるなら、宇宙食みたいなチューブでいいし、
カロリーメイトみたいなものをあれこれ作ればいいのだ。
料理はそれを食べる場面が大切なんだと思う。
どこで、誰とどんな風に食べるのかが大切です。
私はほぼ晩御飯はお一人様。
でも、自分で作り、それに合う酒を見繕い、音楽を聴いたり
ドラマを見たりしながらのひとり飯、寂しくなんてない。

仕事から帰宅して自分で好きなものを作り、食べることがどれほど幸せで
楽しい時間か・・・
だから、ほぼ接待以外は、家で食べる私。
自分が作る料理がいちばん美味しいのだよ。

「梅エキス」に話を戻そう。
梅エキスはめちゃ、手間暇がかかる。
手間と時間をかけると最高のものが出来るという体験は
まさに梅エキスの仕込みなのだ。
簡単便利で安くてカラダにいいもんなんて、ないのだ。
手間をかける楽しさを知ってほしい。
その食材を作ってくれる人を思いうかべると
無駄にもできないし、失敗もできない。
そういう作る人、食べる人、楽しむ人をつなぐのが
「料理」であると思う。
味噌や発酵食はその達成感を得るまでに時間が必要。
「梅エキス」は3時間そこらで、
それを感じることができる最高の経験だと思う。

私は料理でも、単純作業が大好き。
キャベツの千切り、人参の千切り、死ぬほど好き。
梅エキスもひたすら火加減を見て、混ぜるのみ。
料理の単純作業は、私の瞑想タイムなのですよ。
「梅エキス」を仕込む間、始めは、講座のことや仕事のこと
を考えて作業。
でも、しばらくするとトランス状態なんですわ。
なんも考えてなくて、梅エキスに集中。
この時間が大好きで、ちょうどいい塩梅が「梅エキス」仕込みなんだなあ。
やってみませんか?病み付きますよ。
「梅エキス」を仕込まないと夏を迎えられない私。
わかんないだろうね〜〜〜〜。へんなおばちゃんですね。

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