見出し画像

信念とパートナーシップ

信念とは、自分が信じていることで、私たちの行動はその信念に従い人生の局面を通過します。
ただ、その信念も、言い換えると「自分が信じているだけ」ともいえます。

米国の社会心理学者、レオン・フェスティンガーは、認知不協和理論を提唱し、数々の例証から、「自分の信念と事実が食い違うとき、人は『信念を改める』よりも『事実の解釈を変える』ことで、信念を守ろうとする」と指摘しました。

自分が信じていたことを否定されるって、なかなかヘビーなことです。
みんな人生初心者で、なんとか自分なりに正解みつけて必死で生きてきているのに、違うなんていわれたら残る感情は不安。
不安は私たちの最も避けたい感情です。

これまでの人生の中で、最も影響を受けた人物は親、もしくはそれに同等の存在になると思います。幼少期のころの影響はその後の人生に色濃く反映されています。

親との関係や関わりの中で、自分の信念としへ受け入れた概念は多岐に渡ります。
当たり前すぎて、わからないだけで無意識に今も尚、受け入れています。

しかし、親と子供は時間軸でいうと全く違う次元を生き、別物の人生を歩みます。
当然ですが、親の時代になかった職業が沢山生まれていて、親の持っている信念は子供にはほとんどフィットしません。

他者の行動や出来事に対して、私たちが、イライラしたり否定したりする現象は、自分の信念に反していることです。「こうあるべき」と信じているのに、他者が自分の信念と違った動きをすると不愉快になります。

この信念を大きく揺るがす最大の出来事は、「パートナーシップ」です。

親子関係や友人関係でもみられますが、男女の関係には特に色濃く現れやすいです。
最愛の人に出逢うと、自分の事を全力で受け入れてほしいと誰もが願うものです。相手もそうです。しかし、育ってきた家庭も環境も違う二人が特別な関係になるとき、摩擦が生じます。なぜ、理解してくれないんだろうと。

大抵のパートナーシップの関係において、自分の愛せない部分を相手が見せてくれています。自分が愛せなかった部分を愛して統合していく。

相手の行動によって気づかなかった自分の大事なことを受け入れていく。そうやって自分を満たしていくことに、相手という協力者がいるわけです。

レオン・フェスティンガーが提唱している例証がマジョリティではあるのは承知の事実ですが、私たちの信念って「自分が信じているだけのこと」でもあり、完璧ではないから人との出会いで、欠けている部分を補っていったり、統合していくと考えます。

パートナーとの共同作業でお互いを磨いていくって、綺麗なことばかりじゃないだろうが、有難い存在ではないでしょうか。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?