好決算!theTradeDesk($TTD)の解説
こんにちはー!
本日はザ・トレードデスクが8月に発表した第2四半期決算についてお話ししたいと思います!株価については今年に入ってオクタと似て、あまり元気がないのですが、今後に期待したいと思います!
会社・サービス概要
CEOのジェフ・グリーンはデジタル広告業界での経験が長く、2000年ドットコムの時代にデジタル広告の世界に入り魅了され、その後2004年に世界初のオンライン広告取引所、AdECNを創設し、見事4年後にはマイクロソフトに買収されました(買収価格は公開されていませんが、5−7.5千万ドルと噂されてます)!ジェフとCTOのダビッド・ピクルスとはマイクロソフトで出会い、その後2009年にザ・トレードデスクを創設しています。起業するにあたり、非常に重視していたのが社内文化で、社内政治がなく、お互いを助け合う努力を惜しまない人と一緒に働ける環境を描いていました。これもあり、実際に「Great Place To Work」という賞を複数もらっています。
ザ・トレードデスクが設立された当初、最も改革的だったのがRTB(リアル・タイム・ビッディング)です。(RTBとは広告を1回表示させるごとをオークション形式で取引することにより、広告のリアルタイム取引を実現する仕組みです。)これ以前は、広告はパッケージで売られることが一般的で、例えばゲームの広告を打ちたい会社が、広告枠を買うのに、10代のゲーマー宛の枠と一緒に40代主婦の枠をパッケージで購入しないといけませんでした。RTBにより、広告枠をより詳細に細分化することができ、広告購入者にとっても、より付加価値の高い内容となりました。
売上としては広告購入者のプラットホームの使用料として成り立っています。今年の7月に新たにSolimar(ソリマー)というプラットホームをローチしました。ローンチイベントでジェフが話した業界の動きとソリマーの重要ポイントを簡単にまとめたいと思います。
まず初めに、ザ・トレードデスクが提唱・開発しているUID2のムーブメントです。ローンチイベントでもかなり熱が入って話されていたのですが、ジェフのビジョンはオープン・インターネット上で全ての関係者が向上していくことです。ユーザー個人のプライバシー保護を保ちながら、適切な広告により社会に必要なジャーナリズム等をサポートする、といったwin-win関係図です。UID2はUnified iD 2.0の略で、パブリッシャーや広告主が保有するメールアドレスなどのファーストパーティデータをキーにIDを発行し、暗号化したものを統合サーバーで管理することで、ユーザー識別やターゲティング配信などに利用しようとするものです。(ファーストパーティデータとは、企業が自社の顧客やウェブサイト訪問者に関して収集した情報です)また、ジェフはよくwalled garden(囲われた庭、クローズド・プラットフォームのことを指す。例えばグーグル、FB、アマゾンの広告プラットフォームはその例です)と比較して話をするのですが、UID2はもちろんこれを意識したオープンソースです。
次にサプライチェーンの効率化です。ソリマーの作成にて注力した点としては、より適切な判断をサポートできるデータがある場合、それを可視化し提供することです。また、広告を購入するにあたっても、まず初めに購入者としてのKPIを設定することによって、Koa(コア、ザ・トレードデスクのAI)が一番効率的な広告費用の使い方についてデータを提供してくれます。
最後に、ソリマーに直接は関係しないのですが、スタートアップに投資をするベンチャー、TD7を立ち上げたのです。きっかけは、起業したてのクライアントから「TTDがなければ、この会社は成り立ってなかったと思う」というフィードバックをもらったからです。より効率的・効果的に広告を出して、世に自分のブランドを知ってもらうことにより企業の成長に貢献できたということです。オープンソースの広告業界のビジョンに加担する他のスタートアップを今後探して投資をしてくようです!
第2四半期決算
では、第2四半期決算の結果を見ていきましょう!一株当たりの動向ですが、前年同期比を見たときに、売上とNon-GAAP利益は2倍近く伸びています!また、顧客の継続率は過去7年間連続で95%以上と、非常に高い数字です。営業CFは大きく下がっていますが、支払いのタイミングによるものであり、それほど気にすることはないようです。
売上に大きく貢献したのは、CTV(connected TVもしくはスマートTV)、北米外の成長とショッパー・マーケティングでした。アメリカでは1.2億ものCTVデバイスがあり、決算コールの中でもCTVの成長はこれからまだまだ北米以外でも伸びるセクターとのことです。また、北米以外の売上は5年前と比較してほぼ倍まで成長しています。最後にショッパー・マーケティングですが、これはウォルマートとの提携で、オンライン・オフラインの購入の連携を強め、よりパワフルなウォルマートの広告プラットフォームを提供することです。
↓絶対額も参考までに↓
ガイダンス
ガイダンスは他社と違い、シンプルに第三四半期のみの売上の最低ラインと調整後EBITDAについてのみでした。売上は前年同期比(大統領選挙関連を除き)+30%です。少し物足りなさも感じるかもしれませんが、一つは季節性もあります。アメリカの場合、10月−12月は感謝祭、ブラック・フライデー、クリスマスなど年内でも一番大きなイベントが目白押しで、ここでの売上増加は次回の決算発表でも注目をしたいと思います。
決算コールは非常にポジティブな印象でした。質問内容としても、CTVのヨーロッパ市場の展望やソリマーの顧客フィードバック、ウォルマートとの提携とスノーフレイクのUID2サポートについてと、今後の様々な売上成長の可能性についてでした。
次回の決算発表は11月11日を予定しています!
では、素敵な日曜をお過ごしください♫
皆さま、読んでくださり本当にありがとうございます! これからより分かりやすく、メッセージを届けられるよう、今アニメーション作成等勉強中なので、応援いただけると嬉しいです!