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物質的欲望から持続可能な未来へ ~四つ葉のクローバー理論とPERMAの視点から~

私たちはこれまで長い間、物質的な欲望の追求に重点を置いてきました。しかしながら、現在の社会の課題や環境問題の喫緊の解決を考えると、私たちには新たな視点が求められています。

先日、NHKスペシャル『ヒューマンエイジ 第1集 人新世 地球を飲み込む欲望(2023年6月11日放送)』では、私たち人類の繁栄と地球環境の危機について、そして更なる豊かさへの欲求が止まらない事実について真剣に考えさせられました。

そして、この番組を通して私が強く感じたのは、人間の無尽蔵な欲望を抑制し、持続可能な未来を築き上げるための鍵が「ウェルビーイング」にあるという確信でした。そして、そのウェルビーイングを生成する「四つ葉のクローバー理論」や「PERMAの視点」を持つことが、今、私たち全ての人に求められているチャレンジなのです。

ウェルビーイングとは単に自己の幸せを追求するものではない

ウェルビーイングは自己の幸せだけを追求するものではない、それ以上のものです。「四つ葉のクローバー理論」を用いて表すと、『ウェルビーイング=4つのL×PERMA』と表すことができます。

そして4つのLである、
仕事・社会貢献(Labor)
愛・関係性(Love)
余暇(Leisure)
学習(Learning)
これらのバランスと、

ポジティブ感情(Positive emotion)
積極性、没頭、夢中(Engagement/Flow)
より良い人間関係、絆、協力(Relationship)
人生の意義の自覚、社会貢献(Meaning/Purpose)
達成感(Accomplishment)
といった5つの幸せの要素が調和した状態を示します。

この理論は、人生の充実度や幸福感を高めるために重要な要素を示していますが、これからは視野を更に広げ、自分の幸せから、家族、仲間、社会、さらには人類のウェルビーイングを追求し、より持続可能な未来を築くための視点を深めることが求められます。私たちは、欲望を超え、地球全体としての問題解決に向けた望みに向けた行動を起こす必要があります。

個人のPERMAから社会全体としてPERMAへ

私たちが目指す持続可能な未来をつくっていくためには、社会全体としてのPERMAを実現していく必要があります。すなわち、社会全体がポジティブ感情(Positive emotion)を共有し、積極性、没頭、夢中(Engagement/Flow)による協働があり、より良い人間関係、絆、協力(Relationship)による絆が深まり、人生の意義の自覚、社会貢献(Meaning/Purpose)が共有され、(達成感)Accomplishmentを追求していくということです。

このように、物質的な「欲望」の追求から、より広い視野に立った「望」の追求への転換が、私たちが目指す持続可能な未来を築くための重要なカギと言えるでしょう。過剰な物質的欲望が地球環境を破壊し、経済の不平等を引き起こす一方で、私たちが共感性と「心の豊かさ」を追求していくことで、持続可能な未来を実現することができるはずです。

ヒューマンエイジは、これからの時代をどのように生き抜くか、私たち自身が模索しなければならないと語りかけています。私たちは一人一人が物質的な欲望を抑え、より広い視野に立って全人類の望みを実現するために、共に思考し、行動することが求められています。私たちの未来を切り開く鍵は、私たち一人一人の手の中にあるのです。


ウェルビーイング・コンサルタント
杉村貴子


書籍:
『たとえ明日終わったとしても「やり残したことはない」と思える人生にする』(編集:日本実業出版社 川上聡/デザイン:中井辰也/イラスト:芦野公平)
https://www.amazon.co.jp/dp/4534059914


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