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ツバメを世話したあの日!

前編

かれこれ20年くらい前のことだ。
我が家はマンション暮らしだ。
当時小学生だった娘が『お母さん大変!ツバメが落ちてる‼︎
とかけ込んできた。
娘と急いでマンションの駐車場
入り口まで行ってみると 
なんとあろうことか‼︎
ツバメの巣が下に落ちていて 
ひなが4羽 ピーピー鳴いてるではないか!     
親鳥は突然の出来事にどうすることも出来ずヒナ達が見える辺りを低く旋回して騒いでいた。
ことの真相は
週2回マンションの清掃に
やって来るおばちゃんの仕業だった。
何でこんな可哀想なことをするんですか!』とすぐに抗議した,。
フンが落ちて汚いから
とのこと。その返事に唖然とした。
届かぬ上の方にかけられたツバメの巣を長ほうきで丸ごと落としたらしい。このおばちゃんはヒナ達がその後どうなるのだろう?と想像も出来ないのだ!話にもならなかった!
とりあえずヒナ達を我が家に運んだ。
動物病院に引き取ってもらうしかないなと思った。
そして即 電話した。獣医からは
ここではみれない。飛び立つまであなたが世話してはくれませんか?
というものだった。
その申し出にビックリし一瞬パニックになった。
そして大いに戸惑った。
実は実家にいた頃 鳥好き家族だった。
インコ 文鳥 十姉妹 
はたまた巣から落ちた雀も飼ったことはあった。 
しかしそれはずいぶん昔の話だ。

(余談 十姉妹を買ってヒナがたくたん生まれた時 朝起きて見ると
吊るしておいた鳥籠に蛇がどくろを巻いてぐるぐる巻きついていた。『キャー‼︎』悲鳴が響きわたった!遠くからこわごわ覗くと つがいの親鳥が怯えてるのがわかった。その後父が庭に出し金バサミで取り除いた事件もあったなと思い出した。怖かった‼︎)

さてツバメは渡り鳥である。
飛んでるスピードといったら‥あの速さ!である。
とてもじゃないが
『世話は無理です』と答えた。
すると獣医は
大丈夫!ヒナは育てられます。
但し活きた餌を与え続けないと死にますよ
』と言った。
"野鳥は飼ってはいけない"という規則も今まさしく我が家に
一時避難の目の前のヒナ達には通用しない。
これは思いもよらぬことが突然降りかかってきたぞ!
でもヒナ達の命を見捨てるわけにもいかない。             動物や生き物が大好きな娘が1番に発見したツバメだ。  
こうなった以上覚悟を決めて鳥育ての古い記憶をたどり起こして
世話するしかない。
まずは獣医のいうとおり生き餌を売っている店に車を走らせた。
ミルワームなる活き餌を買ってきた。
帰るや初めて見るミルワームに
『気持ち悪っ!こりゃウジ虫だよ!キャー!』と叫んでしまった。
(ウジ虫は嫌やわ!無理!無理!無理!雀だってゆで卵の黄身や
ご飯つぶだけで育ったのにぃ‥‥)と思った。
しかし活き餌が必須のツバメだ。
意を決してそのウジウジと動いている気持ち悪いミルワームをおそるおそるピンセットでつまみヒナ達の口元へ運んだ。
すると4羽のひな達はこぞって黄色いくちばしを一斉にパクッと開けてピーピーピー鳴いた。
まぁそのおねだりのなんと! 可愛いことだろう‼︎
娘も『ちょうだいって言ってるよ。かわいいっ!』と満面の笑顔だ。
毎春 手の届かないちょっと上のベストな場所にかけられたツバメの子育ての光景が今まさしく我が家の目の前で起きていた。
前代未聞のツバメの世話が始まった。

鳥籠は我が家にはない!
でもツバメ達にはわざわざ買う必要はなかった。
まだ飛べないので そこからあちこちと動くことはないのだ。
これはペットで買った飼い鳥とは全く違う。
雀もチョンチョン動くから鳥籠に入れた。 
ツバメのヒナには鳥籠はいらない!
これは大発見ですか? 笑

ツバメを世話して困ったこと!
活き餌をずっと与え続けねばならないことだ。
ツバメがきてからは餌やりの為遠出が出来ない。
まぁまぁ自宅に待機していなければならない。
外出は必要最小限の買い物だけで手早く済ませた。
獣医がみれないと断った理由は
つきっきりのこれだったんだな‥!と思った。
巣立って飛び立ち自分でエサを捕まえるまでは親鳥が運んだ
"エサを食べてはフンをして寝る"を繰り返す赤ちゃんツバメなのだ。
(新生児とまったく一緒)
それにしても世話ものだなと思いつつ可愛いすぎる4羽達!!
突然やってきた可愛い訪問児に
娘とツバメのツーちゃんと名付けて呼ぶことにした。
その日からはツーちゃん達の近くにばかりに集まる家族になってしまった。

ツーちゃん達ようこそ初めまして
米粒もハイハイハイどうぞ!

※ ツーちゃん達のその後と
  信じられない奇跡 
  続きも楽しみにお待ちください

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