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好きなこと表現すると…第1回 午後の紅茶ストレートティーが好きすぎる話をしてオーディションに受かった娘の話

オタクな娘が面白すぎて記録することにした。ほんとは、娘がnoteを書いてくれたら、フォローして毎回更新されるのを楽しみにするのにと思う。

小中高と成績もぱっとせず、スポーツもまるっきしダメで、学生時代に評価されることも特になかった娘が「好き」なことを「好きだ!」と表現することで、初めて評価してもらい、そこから彼女が自分の「好き」に忠実に行動することで、周囲に評価してもらえるようになっていった話を書いていきたい。

娘は、文武両道を地でいくタイプの兄とは真逆の、我関せず、呑気でマイペースな学生生活を送っていました。
きっと、このまま地元の大学にでも通うんだろうなと親も本人も思っていたところ、ある日、彼女は東京の大学に行きたいと言い出した。

大学は興味のあることをとことん学べる最後のチャンスの場だと大学職員である私の友人の助言がきっかけで、それならば自分の興味のあるエンタメビジネスを学ぶために大学いきたい!とやる気をだしたのだ。

一般入試ではなくAO入試で受験することを決め、確かに遅すぎる決断で賢明な判断なんだけど、そのためには学生生活での何か実績やアピールできることがなければ受からない、既に高3の春、とり急ぎ?実績づくりをせねばとオタクな娘は、その頃2.5次元舞台俳優にハマりまくっていたこともあり、地元の高校生による舞台制作プロジェクトを探し出し、オーディションを受けたのだ。

もちろん、舞台経験ゼロ。とりあえず大道具や裏方でいいから受かればOK!と臨んだオーディションで演出家は言った「ご自身の得意な演技、歌やダンス、それと語りでもいいので一人づつお願いします」と…。

もちろん、その準備をして集まった学生たち。目の前で順々に繰り広げられる経験者と思われる演技や歌にダンス。

もちろん、娘はそんな経験もなく、想定もしていなかったわけで、いや、想定しろよ!と思うが、いまさら帰ることもできずに、ここで演技も歌もダンスもできない娘の選択肢は1つ「語り」のみ。

順番は近づく、何を語れば…と、娘ののんびりしていた頭はフル回転したらしい。
語る?何を?好きなことしかない、好きな物?えーー!好きなモノ、もの?

そして、順番がくるギリギリ絞り出た答えは

「キリンの午後の紅茶ストレートティー!!!!」

勢いのまま、まったく舞台に関係のない、あらぬ角度からのぶっこみで飲み物愛を語り出した娘。


見出し画像をみて欲しい。友人らから誕生日に大量の「午後の紅茶ストレートティー」をプレゼントされ嬉々として並べている娘。それくらいストティー(本人はそう呼ぶ)好きは、周囲に知られていたらしい。

ここぞとばかりに愛すべきストティーの味レポだけでなく、キリンの営業マンの販路拡大を追いかけるがごとく、入手できる店を日々捜索してること、またどこの店がどんな価格帯で売っているのか、いつお安くなるのか?勢いあまった娘は、演出家に自作のストティークイズを出してみたりと興奮気味に語ったそうな。
演出家は、まさかの飲み物の話をする人がいるとはと大ウケで「面白いね~それ持ちネタ?」と最後に言ったらしいが、異質な人材だと思われたのかオーディションはまさかの合格!初めて彼女が彼女らしさで評価された瞬間だった。

この経験から彼女は、自分自身の「好き」を表現することの喜びを知ったようで、これから書いていく話も、彼女が「好き」なことで、ささやかだけど認められていった話を綴っていきたい。このストティーの話は、その後、ある人の目に留まり、あることに選ばれ、ある受賞となるという話も。
単なる飲み物の話でも熱い思いで「好き」を語ることで道が開けることもあるって話。

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