見出し画像

自分が創業した会社を卒業しました!

※こちらの記事は4/1にFacebookにポストした内容を元に書いています。

ーーーーーーーーーーー

3月31日を持ちまして自分が創業した株式会社葵(アオイゼミ)の代表取締役を退任および退職いたしました。

前職では本当に多くの方に関わっていただきまして、「教育の格差をゼロにする」というミッションに全力投球できた8年間でした。まずは心より感謝申し上げるとともに、お世話になった皆様に対して、ご報告が事後となってしまった点、お詫び申し上げます。

ーーーーーー

最近知り合った方には驚かれるのですが、自分は起業前まで地元・北海道の札幌市で会社員をしていました。生まれも育ちも北海道ですし、大学も東北・福島なのでバリバリの「マイルドヤンキー」層です。

つまり上京したとき、東京の知人としては大学の友人が2-3人いる程度で、スタートアップという言葉も知らず、ベンチャーキャピタルという概念すら知りませんでした。もちろん土地勘もありません。

上京し、オフィスを構えるときは「とにかくビジネスの中心地は新宿らしいから、新宿に近い中野にオフィスを構えればバッチリや!」と思い、新中野にある家賃7.5万円の物件を押さえ、数ヶ月経ったときに「ああ、ベンチャーは渋谷に集まっているのだな。中野、マジ失敗したな…」と思ったものです…(遠い目)

↑懐かしの新中野オフィス。授業の配信スタジオ兼執務室だったので、ライブ授業中は講師の横でエンジニアがコードを書いていた!トイレの壁が薄すぎたので、授業中は立ちション禁止&水を流してはいけないという、名実ともに「クソオフィス」でした。(今思い返したら最高!)

ーーーーーーーーーーーー

また、よく聞かれるのですが、元々「葵」という垢抜けない?社名は、大学のときにお世話になった先輩で姓名判断をしている方(謎)につけていただいた名前です。

「石井くんが会社作るなら、前株で、漢字一文字、ひらがな三文字読みが良い。例えば、『葵』という字は末広がりだから多くの人に関わってもらえるぞ」と言われて、半信半疑で社名・サービス名を仮置きしていたら、惰性で決まってしまったという経緯です。

もうちょい考えろと…汗


ただ、結果的には、その方の言う通りになりました。(付け加えると、『葵』の名前に縁が深い、静岡の会社に嫁ぐことになったのも、何かのご縁かなと感じています。凄い!)

何も知らない、何も持っていない、何の経験もない状態から立ち上げた事業が、今では60万人以上の中高生が利用するオンライン学習塾に成長し、その過程で多くの方のお力をお借りすることができました。

それは従業員や業務委託という形であったり、あるいは投資家、親会社、友人関係、起業家仲間など様々です。

辛いことも、楽しいこともありましたが、これらを通して体験できたこと、多くの方に関われたこと全てが私の人生における財産になったと感じています。

重ね重ねではありますが、本当にありがとうございました。

ーーーーーー

実は、今回退任を決めた理由の1つとして、今年の1月に中国・深センで見た「未来社会」に衝撃を受けてしまったことがあります。(諸国に視察に行かれている方も多くいらっしゃる中、本当に恥ずかしいのですが…)

幕末の「岩倉具視使節団」並の刺激を受けたと(勝手に)思っています。本当にやばい。

深センが中国の中でも特殊な地域であることは十分承知していますが、AIが当たり前に社会実装されており、走っている車の半数以上は電気自動車(バスやトラックでさえ!そこに日本車はない)。

教育面においても、図書館では小中高校生が普通にスマホで動画を見て学習し、ショッピングモールにはSTEAM教育専用の塾がいくつも入っている状況を見ると、「いつのまに日本とここまでのギャップができてしまったのだろうか?自分はこのままで良いのだろうか?」と急に思い悩んでしまいました。

↑中国・深センの区立図書館。PC/スマホでの勉強率がハンパない。動画/音声ベースの学習サービスが広く普及していることが窺える。


8年間、どれだけしんどい状況でも、事業に対する情熱は消えなかったのですが、急にふと、ピンと張った糸が切れてしまったように立ち止まってしまいました。


このまま代表取締役として続けるのは、ちょっと難しいなと・・・

この辺をごまかしながら続けると、確実にメンタル拗らせてしまうだろうなと・・・


本当に身勝手な決断だったと思います。
お世話になった親会社の関係者皆様を始め、従業員にも申し訳なく思っています。

しかしながら、会社の新体制移行に伴って、より親会社とのシナジーが生み出せる環境になりました。私が代表を務めていたときよりも、会社としてもサービスとしても更に成長し、ユーザーの方への提供価値も増すことと思います。OBとしてさらなる成長を祈念しています。

ーーーーーー

たぶん、海外の刺激が強すぎて、自分の中の価値観が、どこか変わってしまったんだろうと感じています。

この辺は、まだうまく言語化できていません。

そのため、次のチャレンジに向かう前に、一度充電期間としてグローバルと向き合ってこようと考えています。

おそらくは中国で感じた圧倒的な絶望感と折り合いをつけないと、次のテーマが決まらないのではないかと感じています。

今のところは詳細まで詰めていないのですが、夏くらいにフィリピンで語学留学をした後に、シリコンバレーに行ってこようと考えております。

自分が東京に来たときは、そもそも東京に知り合いがほぼいなかったので、改めて考えると、フィリピン留学の相談に乗ってくれる友人や、シリコンバレーにいる起業家の知り合いがいるなど、相当に世界が広く・そして近くなったように思えます。

こういうことも、起業して得られた財産だなと思うと、本当に素敵なことですよね。

ーーーーーー

ちなみに、新元号が発表された4/1に、私が所属している起業家コミュニティ「千葉道場」で合同入社式がありまして、なんと司会を務めさせていただきました。

↑参加企業のCEO合同写真。道場主の千葉さんはまさかのロボ参加。


当初、4/1は代表取締役として出席予定だったのですが、急遽3月末退任が決まった関係上、自分は不参加でお願いしたいと本企画のリーダーでもあるファームノートの小林アニキにお伝えしました。

「4/1から新社会人になる方のための入社式に、前日に会社をやめたばかりの新・無職が司会をやるってどうなんですか?」と…笑

ただ、小林さんから「葵の石井ではなくて、千葉道場の最古参として、スタートアップ魂を受け継ぐものとして司会をお願いしたい」と言っていただき、胸が熱くなった次第です。

自分としても社会人10年目の節目でもありますし、今日から新たに社会人デビューすることになった24名の方々と同じフレッシュな気持ちで、自分も新しいスタートを迎えようと感じた次第でございます。

まずは夏までに諸々の準備をしなければなりませんが、大学生の時以来のモラトリアム期間なので、滅茶苦茶楽しみです!

まずは本当に今までありがとうございました!

そして、これからもよろしくお願いいたします!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?