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物書きと体力

最近、デスクワークこそ身体作りが必要だととみに感じる。体力も気力も、元々の身体が整ってからの話なのだと。

ライター、特にゲームシナリオライターなどという仕事を選ぶからには元々インドアこの上ないのだけども、昨今の事情がさらにインドアを加速させたのは皆様ご承知の通り。

さらに去年の夏、週に一度は通っていた整体の先生が治療院を畳まれてしまった。このご時世だから、ではなく、マンションから立ち退かなければならなくなったという結果なのだけど、私としては大事件だった。

職業柄、身体中がこりまくる故に時々首は寝違えるわ、スケジュールがタイトだと腱鞘炎になりかかるわ……こんな状態ではマッサージが必須以上の必須であり、しかもものすごく腕の良い先生だっただけに非常に悔やまれた、が。

彼以上に信頼できる施術師が見つけられそうもなく、私は一念発起して「自分で身体を整える」方法を模索することに。

そして見つけたのがヨガ動画。自分は基本的に体力なし、でもまあまあ身体は柔らかいので、やってみたらそれなりにできたし、地味に続けられそうな内容。

そこで「絶対ずっと見ちゃうから」という理由で購入を見送っていたFire TV stickを買い、ディスプレイで動画を流しては毎日ひたすらヨガを続けた。

朝ヨガ、夜ヨガ……けっこう楽しい。ありがたいことに、どのインストラクターさんも「自分の身体に合ったポジションに動かしていいです」「こうすると楽」「こうするともっと深められる」と、イージーモードとハードモードを両方教えてくれたりする。身体をポーズに沿わせるのではなく、ポーズを身体になじませていけばいいって、すごく気楽です。

始めた頃よりは少しずつ体幹が鍛えられてきているようで、長時間の座り作業がつらくなくなってきたのは本当に素晴らしい。

これまでずっと、頭ばかりで身体を二の次にしてきたから、そろそろ身体に戻るべきなのだと痛感している今日この頃。

スピリチュアルでもよく言われる「身体は神殿である」という言葉があって。(確か村上春樹の「1Q84」で青豆も言っていたかと思う)自分でも、それは真理だと思っていた。自分の神殿を他力本願で整えるって、よくよく考えれば論外よね。

ヨガのインストラクターさんは、自分の身体の状態を確かめる、感じる、とよく言うのだけれど、実はこれが一番大事で。どこまで開くと痛い、どこまでねじると攣る……右と左、外と内、バランスが崩れていることがわかる。

無論、バランスは整えられたほうが良い。けれど整わないまでも、どうバランスが悪いか知っているだけでもずいぶん違う。自分の身体の癖に応じて対応すれば、それでバランスが取れるわけだし。

それは身体だけでなく、ライターとしてなら自分の文章の癖を知る、性格ならば良い(と感じられる)部分も悪い(と感じられる)部分もそれはそれで知っていて受け止める。それだけで結構楽になる。ほら、無理すると、生きづらいですしね。


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