こんなことがあるんかと思ったこと

 私は週6回くらい喫茶店に行きます。モーニングを食べながらそこに置いている新聞・マンガ・週刊誌を読むのを楽しみにしています。だからそれらが一杯ある店に行き、長っ尻です。そのため出禁になった店もあるくらいです。しかし、最近の若者向けのマンガにはついて行けなくなってしまい、週刊誌のエッチ系なものにもちょっと食傷気味になっています。その結果昔のマンガを読み始めたのですが、読みたいものが少なくなりつつあります。昔は楽しみしながら読んだものも、今は読みたくないものが多くなりました。今でもあると読みたくなるのは弘兼憲史さんの作品くらいです。同年代の人ですので、感性が近いのでしょうか。その他にもまだまだ読めるものがたくさんありますので、死ぬまでの時間つぶしには事欠きません。スポーツ新聞もあるところが多いのですが、数独などのクイズをするだけです。
 しかし置いてある本が十分ではなくなった店もありますので、読むものが無くなってしまいます。さっさと店を出れば良いだろうと言うことなのですが、なぜか長居をしてしまいます。他人のゴシップ記事は読みたくないので、残るは社会面を仕方なく読んでいました。ところが不思議と読み慣れてしまうものですね、政治家には「なんやこいつら、なにしとんじゃ」と腹を立てながらですが・・・。そして、私もこんなことに関心を持つようになったかと思いながらですが・・・。
 昔から社会科は苦手でした。ただ不思議なことに中学時代は得意科目でした。9割前後から満点が普通で、一度8割未満の時があって涙を流した記憶があります。しかし、高校になった途端不思議なことに苦手になりました。年号・歴史的事件を暗記することに違和感があり、「何でこないなこと覚えなあかんのや」と逃げました。だから志望大学を決めるときは社会科1科目だけの大学からでした。だからその後も学生の時は「経済」は資本主義国家だけの概念で、共産主義国家には無いと思っていました。かなり後にマルクス経済学があるということを知ったのは、学生運動をしていた友だちからでした。
 そんな私が、ある喫茶店に置いてある、上念司さんの「経済から読み解く日本の歴史」という五分冊に夢中になっています。今日もそこで読み、第一分冊の室町・戦国時代を読み終えました。第三分冊の江戸時代は読み終えています。少し右よりな論調ではあるような気がしていますが、それを差し引いても納得できたり、なるほどと思ったりしています。一番びっくりしたのは「経済が本体で、政治は衣服である」でした。江戸時代が長く続いたのは幕府が、諸藩を締め付けたからでは無く、金貨・銀貨を鋳造・発行したからである。そして、幕府はその金で多くの公共工事をしたそうです。また、4代将軍家綱の時の明暦の大火で江戸城も焼け落ちるのですが、天守閣を再建すると多くの人・物資・金が必要となるから、物価高騰で庶民の生活が苦しくなり、復興が遅れるので再建しなかったとのことです(東日本大震災で復興税を国民から搾り取り、霞ヶ関の高級公務員宿舎を始め、県・市庁舎ばかりを建てた、どこかの政治家に聞かせてやりたいですね)。
 また、貧農(農民だけでは無く、武士以外)史観は止めようと言うことと、江戸幕府が滅びた理由は武士への石高制を続けたことというのです。昔に比べて耕地面積は何倍も増え、収量も増えたので米の値段は下がったから武士の生活はだんだん苦しくなったのは当然のことで、一方それ以外の人たちは経済の発展により豊かになっていきます。テレビで見たのですが、地下に埋まっていた町民の長屋からは、九州の有田焼の皿やアワビの貝殻等が出土していましたからあながち嘘では無いようです。
 今日読み終えた室町時代は宗教団体(延暦寺、臨済宗、本願寺、日蓮宗)が、現在で言うと日本銀行、総合商社、不動産業、暴力団を兼ね備えていたことです。中国と朝貢外交でしか貨幣が手に入らないのですが、時には中国から朝貢に来るなと言われることも多かったようです。日本の面子から考えると朝貢は情けないかも知れませんが、経済的には非常に儲かるらしいのです。貢ぎ物の何倍ものお返しがあるのと、同行した商人が貿易により大儲けができるからです。中国が朝貢のお返しがしんどくなると来なくて良いとなっていくのです。その朝貢外交の中心が宗教団体だったようです。当然宗教団体の力が大きくなり、強訴等に困った幕府・朝廷はまだ弱小な他の宗教団体を応援して強い団体の勢力を剥ぎ、そこが強くなるとまだ弱小な団体をとなり、交代していったらしいです。
 そういえばこの間まで世界の警察を名乗っていたアメリカが、最近トランプの出現により内向きになって行っていますが、宗主国を名乗るために多額の出費(軍隊の出兵等)をしていた。しかし経済があまり発展しないので持ちこたえられなくなって、他国干渉するには金が必要になるので止めたと言うことだと思いました。アメリカ人の内面を表わし、トランプはお面であり、アメリカの終わりの始まりだと思いました。いばるためには金が必要なようです。中国も覇権を取るため特に途上国に対して出資をしているようですが、「元はしっかり取り戻すでぇ」の姿勢が強すぎるのとアメリカの威光がまだ残っているので苦労しとるんかなと思いました。

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