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金子翔太がぶち当たった『必然の壁』。ライバル・北川航也の刺激で見えた自分の弱さを受け入れ、その殻を打ち破る―。

屈辱のハーフタイムでの交代だった。

J1第31節の湘南ベルマーレVS清水エスパルスの一戦。エスパルスの金子翔太は、スタメン出場をするも、プレーに精彩を欠き、後半はピッチの上には居なかった。

「あそこで代えられたのは今年初めてでした…」。

試合後、金子が唇を噛んだように、今季の彼は右サイドハーフとして不動の地位を築き、開幕からベルマーレ戦まで31試合すべてに先発出場をし、現時点でキャリアハイとなる9ゴール5アシストをマークするなど、好調のシーズンを過ごしていた。

今季の最短出場記録は第12節のアウェイ・サンフレッチェ広島戦の65分で、それ以外は21試合のフル出場と、試合終盤での交代だった。

それだけにシーズン終盤の試合で、僅か45分での交代は、彼にとっても非常にショッキングな出来事であった―。

「今日の試合も凄く気合いが入っていたのですが、湘南のやり方にどっぷりハマったと言うか、自分の中でちぐはぐさがあった。後半取り返そうとは思っていましたが、何となく(ハーフタイムでの交代を)感じていました…。今日の自分のパフォーマンスを見たら、妥当な結果だと思う」。

JFAアカデミー時代から彼は自分を客観視出来る選手だった。FWとして小柄な体格をどう生かすか、フィジカルレベルやスピードが上がる中でどう順応して行くかを常に摸索し、そのレベルに適応して行くことが出来る選手だった。

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