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#139 浪漫と非道の境目

「武将の中で誰が好き?」とか「戦国時代に憧れる」という話題の中で、「毛利、ウケる~」、「信長、パネェっすね」なんてやりとりがあっても、特に問題は起こらない。というか、「意外と勉強家なんだね」と好印象を持たれる可能性もある。三国志ネタもそう。
 
でも、たとえば「第三帝国を築いたヒトラーに男の浪漫を感じる」なんて言おうものなら、社会的に抹殺されるひともいる。
 
領土と権力の拡大を目指すという動機に、さほど変わりはない。どこが境目になるのだろう。400年以上さかのぼれば「まぁ、そういう時代だったから」で済むのか、1万人くらいならアリだけど500万人死ぬとさすがにマズイよね、という判断になるのか。暗殺はもちろん、仲間内での粛清が当たり前だった新選組はわずか150年ほど前の組織だけど、それでもしばしば英雄視される。幕末浪漫を語る上で欠かせない、ひとつの象徴だ。
 
牛や豚はいいけれど、鯨はだめという主張にも似ていて、本当に境目がわからない。

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