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#374 ハノイの塔

12月31日も1月1日も関係なく、常に低空を安定しながら粛々淡々と進んでいます。年末だからといって大掃除をする慣習もなく、仕事部屋で年間を通して観察される些細な変化といえば、平積みされた本の類が、ハノイの塔のように時折高さを変え、たまにズズズ……と横移動するくらい。今日、数えてみたら、12塔あった。どうりで探し物がなかなか見つからないわけだ。

10年前の机まわり。当時は出版社の一角を仕事スペースとして間借りしていた

だからといって、反省しようとか、改善しようというつもりもあまりなく。数日前、フェイスブックのお知らせ機能で10年前の写真が出てきたのだけど、そこでもやっぱり、塔が天高く築かれていたわけで。あまり人様にお見せするものでもなく、解像度の低い画像でよかった。

解像度といえば、最近はポラロイドカメラを手にすることがしばしばある。パシャ、ジィィィ……と出てくる写真は、どれも境目がふわっとあいまいなのだけど、たとえば夕陽は夕陽以外のなにものでもなくて、そこに写っている風景がひと塊になって目に入ってくる。

FUJIFILMのinstax mini Evoで撮ったベランダからの風景

同じ夕陽をスマホで撮ると、そりゃまぁきれい。空のグラデーション、曇の濃淡、鉄塔のトラス構造、電線の一本一本、木々の重なり、家々の窓がくっきりはっきりとクリアそのもの。拡大していったら、たぶん洗濯物や部屋の中のひとも見えるはず。だからつい近視眼的になって、全体を忘れてしまう。

同じ場所からiphoneで撮ったもの
500KB足らずのサイズなのに、拡大してもこんなにクリア

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