#128 野球知らず
野球をまったく観ない家庭に育った。そのせいか、ルールのほとんどは今もうすらぼんやりとしていて、球団の名前に耳馴染みはあっても、それがパ・リーグなのか、セ・リーグなのかはまったく分からない。
それでも小学生の時に一度だけ、友達のお父さんに甲子園へ連れて行ってもらったことがある。試合は阪神-巨人戦で、自分がどちら側のスタンドにいたのかは覚えていないのだけど、怒号というか、野次が凄かったので、たぶん阪神側の席にいたのではないか。
そういう雰囲気につられて声を張り上げ、血をたぎらせるタイプではない。逆に「これは好きな感じのスポーツではない」と思い、ますます野球から遠ざかっていった。
「死ぬ気でいかんかい、ボケェェェ」とか「一回死んでこい、オラァァァ」と荒ぶり、容姿いじりも普通の阪神ファンもさることながら、巨人軍の「軍」という響きに高圧的というか、息苦しさというか、旧態依然としたなにかを感じたし、併殺とか捕殺とか死球とか盗塁という文字面もなんかいや。
スポーツの多くは、領土や権力争いに端を発する殺し合いから生まれたことを思えば、まぁ、そういうものなんだろうけど。
今はいろいろと変わっているのだろうか。
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