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#142 番地は後か先か

欧米の住所はまず番地を記し、その次に通りや区、市が続く。日本はその逆で、最後が番地だ。
 
どうしてなのかは知らないけれど、まず結論を表明し、その後に理由づけをしていく欧米式の文法になぞらえると、まぁそうなるのかな、という気がする。対する日本の文法と国民性は、やはり日本の住所表記に似ている。まずは都道府県や市で大枠を捉え、そこからフォーカスしながら、あるいは様子をうかがいながら徐々に距離を詰めていく感じ。
 
どちらがいいも悪いもない。とはいえ、少なくとも住所に関しては、日本式の方が位置を捉えやすいと思う。行き先を聞いた時に、いきなり番地で答えられてもピンポイント過ぎてさっぱりわからないし、身動きが取れない。これに対し、まず「京都」とか「関西方面」という情報があれば、とりあえずそこへ向かうことができるし、距離や交通手段もイメージしやすい。
 
ピンポイントであることを優先するのなら、住所を緯度と経度で示すシステムに切り換えるといい。より合理的で、スマホやナビがあれば世界中の誰もが認識でき、すべては数字と時間で表せられるから国境や県境の意識が薄まる。地球規模で物事が考えられるようになるかもしれない。

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