見出し画像

#355 ぼこぼこよりもでこでこ

ぼこぼこにする、という表現がありますよね。殴る蹴るの暴行を加え、息の根は止めないまでも、戦意を完全に失わせるやつ。

あれってたぶん、殴られたり蹴られたりした身体の部位が、その衝撃でぼこっと、つまり凹っとへこむ状態を擬音語にしたものだと思うのだけど、へこむのはほんの一瞬で、その後はほぼ間違いなく凸っと腫れてくるのが普通。ということは、「ぼこぼこ」よりも「でこでこ」の方が、よりリアルな表現ではなかろうか。

「のび太のやつ、今日こそ、でこでこにしてやるぜ」みたいな。そっちの方が語感がやわらかく、なんならそこはかとなくパーティ感すら漂って、やる方もやられる方もなごやかな気持ちになれそう。なれるかっ。

……と、ここまで書いて、あれ?と思ったんですけどね。ぼこぼこの由来は、凹凹じゃなくて、もしかして暴行?

「ぼうこう」という言葉に破壊力とスピード感を加えると、「ぼぅこぅ」「ぼっこ」「ぼこっ」みたいに発音になって、そこにワンツーのリズムを付け足すと「ぼこぼこ」になるしね。いや、なるしね、と言われても。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?