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#045 ダウンサイジング

1970年代から80年代は、「1億」という数字がひとつの上限だった。

日本の人口がちょうどそれくらいで、1億持っていれば銀行の預金金利だけで充分に暮らせ、落合博満が日本人で初めて年俸1億に到達。銀座や竹やぶに1億が落ちていた、そんな時代。

1億を最大値に置くと、ものの価値や位置をはかりやすい。小説がミリオンセラーになったとしたら、それは100人にひとりが買ったということ。テレビの視聴率が20%だとしたら、それは5人にひとりが見たということだ。

日本の人口は、2021年の時点で1億2610万人だそうだ。土地の問題、エネルギーの問題、環境の問題、食料の問題、ゴミの問題などなど、いろいろなことを踏まえるとちょっと多くなり過ぎたのでは、と思う。1億か、それ以下の時の方がなにかにつけてゆとりがあった。

クルマやバイクを軽く小さく作ると運動性も燃費も向上し、しかも部品点数が少なくて済む。それと同じで日本そのものをダウンサイジングした方がいい。もっとも、人口はどんどん減少傾向にあるため、なにもしなくてもやがてそうなるわけだが、それを肯定すると「日本の国力が~」、「GDPが~」、「高齢化社会が~」みたいな話になる。

日本のことではなくて、地球規模で考えた方がいい。世界に境界はない方がいい。

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