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#058 占いに対する寛容度

霊能者を取り上げるテレビ番組が昔はたくさんあった。霊が存在するのならそこに流行りすたりはなく、普遍的な番組になっていてもよさそうなものだが、どうもそうではない。視聴者が飽き、霊能者の需要が減ったということか。つまり、お金が動かなくなったわけだ。

霊界にもコンプライアンスがあって、うかつに人間界に出てこられなくなったのかもしれない。映画『ゴーストバスターズ』の復活は、そんな彼らの叫びだろうか。

一方で、流行りすたりの波がほとんどないのが占いの世界だ。テレビはもちろん、雑誌、ウェブ、新聞、神社、路上……とありとあらゆるところにそれはある。

なんでもかんでも先回りし、予防線を張っておくことがひとつのスタイルになっている。「CM上の演出です」とか「この後スタッフがおいしくいただきました」とか「走行はプロドライバーによるものです」とか「特別な許可を得て撮影しています」とか、そういうやつ。

なのに、占いに対して寛容なのはなぜだろう。「残念。今日はとことんついていない一日。でも大丈夫。スキップすれば運気回復」とか「運命のひとと出会えるかも。ラッキーアイテムはたらこスパゲッティ」という情報をなんのエクスキューズもなく流している。その予告と結果に対して激高するひとはあまり見たことがない。

みんな、なにに対してもすぐに怒るのにね。

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