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#010 便利さと不便さを行き来する
ネットでなにかを検索すると、次から次へと関連した情報が表示される。溢れ出てくる。とても便利な機能だと思う。
とはいえ、アナログな世界でも同じことが起こる。たとえば手にした本の中に違う本のことが書かれていると、それそのもの、あるいはそれにまつわるなにかが気になって買ってしまう。そうやって先に進んだり、遡ったり。
いちいち時間がかかり、多少の出費は伴うけれど、身体中に栄養が染み渡っていく感覚はネットサーフィンの比ではない。ネットサーフィン?もう死語か。
それはさておき、多くの場合はアマゾンで手に入れることになるため、ネットを否定するつもりも全然ない。今、『アラスカ 光と風』(星野道夫著)の中で紹介されていた写真集の到着を待っているところだ。アメリカの中古本ショップで売りに出されていたものを注文しておよそ一ヶ月。まだ手元には届いていないものの、その時間も悪くない。便利なシステムを活用しながら、ちょっとした不便さを楽しむ。僕らはいい世の中に生きている。
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