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#294 船が山に登ったらそれはそれで

先日、あるメーカーのエンジニアと話をする機会があった。かかわったプロジェクトの途中、困難な問題が次々と押し寄せてきて大ピンチ。それでもどうにかこうにか解決策を見つけ、苦労を重ねて製品化にこぎつけることができました。かいつまむとそんな話。

話の中で、「船頭多くして船山に登るってやつですね」と彼が言った。若いのに。エンジニアとひと口に言っても、エンジン担当、車体担当、実走担当、電装担当……と部署ごとに大勢いる。なので、そのひとりひとりの意見すべてを反映させようとすると、プロジェクトが素っ頓狂な方向に行きかねず、そこにブレーキをかけてなんとか取りまとめた。そういうエピソードとして聞いていた。

だけど、どうも話が噛み合わず、時々頭の中が「?」となったまま、しばし時間が経過。ちょっと気をつかい、自分なりに遠まわしに確認してみて分かったことがひとつ。

その彼は、「たくさんのひとが知恵を出し合えば、乗り越えられない壁はない。やればできる!」という意味で、船を山に登らせていた。

ちょっと、というかだいぶおもしろかったのだけど、よくよく考えたら、意味は通るし、解釈としてはありだと思う。言葉やことわざ、格言というのは、こうやってひょんなきっかけが重なり、徐々に変化していくのかもしれない。

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