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#185 大河

『独眼竜政宗』以来、35年ぶりにNHKの大河ドラマを観ている。

すでに浸透して久しく、なんの違和感もないのだけれど、大河ドラマの大河ってなに? 広辞苑には「大きな河」、「おおかわ」とある。「河」は「川」より広く、スケールが大きい。

制作費は莫大で、キャストも豪華。撮影期間も放映期間も長い。大河ドラマという名称は、その様を表している。そうは言っても、「銀河ドラマ」までいくと誇張が過ぎるということか。

日本に「~川」は無数にあるが、「~河」という名の河はない。したがって、大河も存在しない。大河ドラマは日本を舞台にした、日本土着のドラマなのに、だとするとネーミングとの相性はいささか微妙ではないか。

河には雄大なイメージがある一方、「河童」はどちらかと言えば、たぶん狭い川に棲んでいる。「運河」もその多くは細く、スエズ運河よりも多摩川の方が何倍も広い。期待を裏切らない河っぽい河は、「黄河」くらい。

「川口さん」と「河口さん」が相まみえた時、「川口さん」はなんとなく負けた気がするのだろうか。「小川さん」と「小河さん」なら、「小川さん」の方が潔い。「小河さん」は、小さいのか、大きいのか、小さいけれど大きく見せようとしているのか、大きいけれど小さく謙遜しているのか。いずれにしても、はっきりしない感じ。「大川さん」と「小河さん」は、大体対等かもしれない。

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