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#188 山本文緒の中の片岡義男

女性作家の作品の中に、バイクやクルマの記述が出てくるのが好きだ。そこでパチンッと場面やキャラが切り換わる感じ。ほのかに色気が漂うし、機械に対して少なからず壁がある感じもよい。小説よりも、それがエッセイだとリアルでなおよい。

山本文緒の『日々是作文』(文春文庫)は、15年ほど前のエッセイだ。その中に、片岡義男が2度出てくる。1度目は、18歳の時に片岡作品に出会って身悶えしたこと。2度目は、”ある作家さん”の“赤い背表紙の本たち”の多くがすでに絶版になり、新しい読者を得る機会を失ったことへの憂いが綴られている。

エッセイの最後を飾るのは、これは片岡作品とは無関係なのだけど、クルマの助手席で見つけた幸福について。



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