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#254 欲しいの基準

バイクの仕事をしていると、「AとB、どっちがいいですか?」みたいなことをしばしば聞かれる。バイヤーズガイドとしての役割を求められるわけで、そういう時は別に出し惜しみしたりはしない。相手の趣味嗜好、スキル、使い方、環境などを可能な限り踏まえ、答えられる範囲で答えている。

バイクに乗って、それを文字で表現しているのもその一環だ。完全な主観であれ、ただの個人的な好みであれ、なにかをアウトプットすると、誰かの判断に多少なりとも影響をおよぼす。その対価として原稿料や日当が発生しているわけで、ひとの悩みにつけこむことが、ライターやモータージャーナリストの仕事と言っていい。

我々に頼らないモノ選びは簡単だ。スマホもネットもなく、まわりに誰ひとりいない環境をイメージすればいい。ひとに見せる機会がなく、話題にすることもない。したがって、誰からもうらやましがられたり、「いいね」と言われることのない環境だ。

そうすると、純粋に自分の欲しいモノが残る。迷いが生まれる大半の要因は、他者の影響に寄るところが大きい。いくら排除したつもりでも、見栄が選択を惑わせる。自己満足と言いつつも、誰かにかまって欲しい自分がいる。

自分だけの価値基準で、自分だけを満足させる。それができるのは、実はとっても贅沢なことだと思う。

軽トラでモテる可能性を捨て切れてはいない。

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