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#288 毒舌的批評

以前契約関係にあった出版社との間では、手掛けた記事が中国語に翻訳されることを許諾していて、台湾などで流通していました。

それが広東語だろうが、北京語だろうが、台湾華語だろうが校正のしようもなく、したがってすべてはノーチェックでお任せだったわけですが、プロフィールをなんとなく見るだけでも毎回ちょっとした驚きあり。

たとえば、タイトル写真で書かれている「自由騎士」なんてのは、わりとかっこいい。かっこいいのだけど、たぶんこれは、日本語で「フリーライター」と書かれていた部分が「フリーライダー」と誤認され、それが直訳的に「自由(フリー)の騎士(ライダー)」となったのだと思う。これはこれで名刺の肩書にしてもよかったかも。

一方、しばしば目にしたのが、つまり定着してたっぽいのが下記のようなプロフィールです。

着目すべきは「毒舌的批評が読者に好評」という主旨の文言で、これはなかなか恐ろしい。一体、自分という男はどんな中国語を話し、中国語圏ではどんなキャラを確立していたのやら……。

「この穏やかなエンジン特性のおかげで~」と日本語で書いていたとしても、中国語的には「このくっそつまんねぇゴミエンジンのせいで~」みたいな表現になっている可能性もあり、徹頭徹尾そういうキャラなら、それはそれで楽しいかもなぁ、と思わなくもなく。案外、そういう自由闊達さが、今の雑誌に欠けている要素なのかもしれません。

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