![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/74040534/rectangle_large_type_2_0a382367098e7fe2880abde7e1f6ae01.png?width=800)
#079 論文と原稿
誰も気づかなかったこと、誰も知らなかったことに「もしや」という仮説を立てて、まったくの手探りでそれを証明してみせる。それを研究と呼び、それを実現するひとを学者と呼ぶ。
手にした成果は、世界に向けて発表されなければ、なにも無かったに等しい。だから学者は、文字やグラフや表やイラストや写真やデータといったありとあらゆる手段で表現する。それを論文と呼ぶ。
論文には途方もない時間と労力が費やされ、画期的な手法を生み出したり、ひとの命を救ったり。ともかく大きなイノベーションをもたらす可能性があるのだけれど、基本的に原稿料や印税は発生しない。一部の例外を除き、公共性、もしくは公益性の観点から論文には誰もがアクセスすることができる。ネットニュースと同様、無料の情報として扱われているのだ。
雑誌や書籍に価格がつけられ、さらには著作権や肖像権で守られるいるのは、それらが文化を育む創造物という価値観に基づいているからだ。芸術と言い換えてもよく、その対価が原稿料や印税である。
今日生み出した原稿は、果たして価値ある作品だろうか。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?