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#100 トラス+ラーメン≒トレリス
バイクの車体には、トラス(=三角)フレームと呼ばれるパイプワークがあります。メインになる部材と筋交いになる部材を組み合わせて骨格を作る仕組みです。
これは東京タワーなどの鉄塔、レインボーブリッジなどの鉄橋を思い浮かべてもらうと分かりやすいでしょう。遠目に見ても三角形の集合体であることが分かるはずです。力学的に強く、工法的に簡単で、メンテナンス的に容易。なので、建築の世界では古くから広く採用されています。
ただし、部材と部材を溶接している場合は、本来これをトラス構造とは呼びません。部材同士をピンやボルト、蝶番のようなものを使って繋ぎ合わせ、一定の自由度を確保した構造のことを言うからです。
では、溶接した状態をなんと呼ぶかと言えばラーメン構造です。ラーメン(=rahmen)はドイツ語で額縁を意味する通り、基本的には三角ではなく四角で構成。言い方を変えると、がちがちに剛接合することによって筋交いを省き、三角を成す必要がなくなるというわけです。
なので、バイク界で言うところのトラスフレームは、「トラス状のラーメンフレーム」とか「ラーメン構造にトラス風味を添えて」という表現がより的確かもしれません。
ただし、それだといろいろとややこしいので、トレリスフレームと表現しておけば大体OK。トレリスは単に「格子」を意味するため、接合部が溶接されているかどうか、形状が三角かどうかという制限を受けず、幅広い意味に使えるからです。
うちの父親は昔、建築家を志していたようですが、それを曲げて僧職に就きました。子どもの頃に見つけた本の中に「ラーメン構造」という言葉があり、その響きがなんだかおもしろかったことを覚えています。僕には建築学や工学の素養が微塵もなく、どうやら娘に隔世遺伝しているようです。
あ、そうそう。同じ頃、初めて覚えたGPライダーの名前が「フランコ・ウンチーニ」。おもしろさ加減ではこちらが圧倒。子どもにとっては恰好のパワーワードだよね。
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