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#418 来週の月曜日空いてます?

編集者から、そんな風に電話がかかってきたり、メールが送られてきたりすることがある。というか、そのパターンが多い。その日なにがあるのか、なにを依頼しようとしているのかには触れず、とりあえずこちらの状況を確認してくるわけだ。空いてる? よかった。じゃ、お願いしたいことがあるんですけど……という展開が待っている。

僕はそう尋ねられると、大抵「その日は空いてない」と返答する。なにもないことと、仕事を受けることは全然イコールではない。原稿を書いたり、取材の予定がなかったとしても、本を読んだり、映画を観たり、クルマやバイクでどこかへ出掛けることは、僕にとって等しくやるべきこと、やりたいことだからだ。空いてるなんて、あり得ない。

仕事の詰まり具合より、その内容の方がはるかに大切なのに、それを無視した発注には応えたくない。言い換えると、すでに入っているなにかをリスケしてでも、受ける依頼がある。こちらの予定が空いているかどうかは、提示された中身で決まる。

もっとも僕とて、「最近どう? ひまだよね? え、校了中? またまたぁ。大丈夫、大丈夫。ちょっとひとつ頼まれてくんない? いや、実は明日お台場でさぁ……」と超乱暴なパスを出さないわけではないのだけど、ごく一部の同業者に限った親愛と信頼の証なので、そうプラス方向に受け留めて頂けると、これ幸いでございます。

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