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#323 読書をなめんな、と仰ってます
どんどん減っているとはいえ、仕事柄、辞書の類を手にする機会は今も多い方だと思う。ごくたま~に入れ換えたり、追加したりするのだけど、この10年ほどの間、最前線でスタメンを張っている国語辞典といえば、三省堂の『新明解国語辞典』だ。
この辞典の特徴は、言葉によってはかなり踏み込んだ解釈で独自性を発揮している点にある。その名を広く知らしめた表現のひとつが、おそらく「読書」ではないか。その項には、こう書かれている。
〔研究調査や受験勉強の時などと違って〕一時現実の世界を離れ、精神を未知の世界に遊ばせたり、人生観を確固不動のものたらしめたりするために、(時間の束縛を受けること無く)本を読むこと。〔寝ころがって漫画本を見たり、電車の中で週刊誌を読んだりすることは、本来の読書には含まれない〕
凄くなくなくない? 精神を未知の世界に遊ばせるんですよ。人生観を確固不動にしちゃうんですよ。読書なんて、イッちゃったヤベェやつのすること、もしくはそこにいたらしめる行為と定義づけているも同然。ちなみに、『広辞苑』でどう表現されているのかというと、”書物を読むこと”と実にあっさりしたものです。三省堂、大好きです。
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