#364 FIAT 131 ABARTH
たまにやってくる、急性かつ一過性のミニカーブーム。本日届いたのは、フィアットの131アバルト。悪くない。悪くないけれど、やっぱり1/43スケールだと、車体サイズが大きくなり、それにしたがって各部の精密性が増して、あんまり可愛げがない。もっと適当なくらいでいいんです。
子どもの頃は、グリコのおまけに付いてくるミニカーで充分楽しめたし、なんなら石ころをスーパーカーに見立てて遊ぶこともできた。あの時の気持ちは、(俺、子どもだし。クルマ乗れないし。しょうがないし)という我慢でも妥協でもなく、ちゃんと運転席に座り、ステアリングを握り、アクセルを踏み、コーナリングをしていた。想像力が無限にあった。
大人になって、免許を取って、クルマを買って、だんだんそのグレードが上がっていって、ちょっとしたガイシャを手に入れたとする。とっても素晴らしいことだけど、もうそれでしか満足できなくなってしまったのなら、それは少し寂しい。想像する感覚をすっかり忘れ、感度が鈍った状態だからだ。
なんでもちょっと雑か、まったく物足りないくらいで全然よくて、自分の頭ん中でイメージしたり、工夫したりする余白を残しておきたい。クルマやバイクの世界には、いつも新鮮な気持ちで関わっていたい。
同じ歳なのに、今もスーパーカー消しゴムに情熱を注いでいるおっさんがいる。いつも凄いと思っている。
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