#331 家族のデザイン

我が家は、妻と娘の３人構成である。これを話すとわりとびっくりされたり、心配されたり、非難されたりするのだけど、今の今まで家族３人で旅行をしたのは、１回きり。娘が３歳か４歳の時に、伊豆のペンションに泊まったのが最初で最後だ。実家への帰省を旅行というのであれば、それは数回ある。あるけれど、言葉通りに数回なので、つまり僕の両親も妻の両親も、娘には数えられるほどしか会っていない。

家族３人もべったりでは全然なく、揃って食卓を囲むことはあまりない。どれくらいあまりないのかといえば、月に数回あるかないか。それぞれが、それぞれの時間と空間に生きている。だからしばしば「え、いたの」と言われたり、「あ、帰ってたんだ」と言ったりする。

家族３人で撮った写真は１枚もない。
家に娘の友達が遊びに来たことは１度もない。
僕や妻の友達も然り。というか、そもそも友達がいない。
あ、でも娘にはたぶんそこそこいる。
同級生からも先輩や後輩からもイジられるタイプっぽい。
家族仲はいい方だと思う。
父親にヒザカックンしてくる18歳って、きっとそれほど多くない。
娘はまっすぐ育ち、なんというか「いいヤツ」になった。
先日、見知らぬ酔っぱらい韓国人に付き添って、一駅分歩いたそうな。
曲がったことは可能な限り避けながら、自分の将来を模索している。
お金だけはどうにかするので、好きなように歩んでくれればいい。
いつか家を出たなら、帰ってこなくなるのかもしれない。
だけどそれで構わない。

家族のありかたは、いろいろある。