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#426 That's my hobby.
試乗会に参加するため、ヒースロー空港に着いた時のこと。パスポートコントロールのおじさんとこんなやりとりがあった。
「それ、なに?」
「ヘルメットっす」
「なんのために?」
「モーターサイクルに乗る予定があって」
「なんで?」
「趣味なもんで」
ここで僕は、趣味という表現に「hobby」を使った。なんの気なしに。ごく素直に。するとそのおじさんは、「Hobby!?」と言う。こっちは「Yes」とうなずくと、今度は目を見開いてもう一度、「Hobby!?」と繰り返す。(マジで?)みたいな顔で。こっちはもう一度「Yes」である。
特におとがめがあったわけじゃなく、なんかちょっと変だったな、としか思っていなかったのだけど、ずいぶん後になって知ったのは、イギリス英語の「hobby」は手軽なレジャーやスポーツの類ではなく、もっと文化的だったり、創造的なものを指すということ。
芸術や古典、もしくは研究の領域に相当するらしく、日本人的な感覚のそれよりもずっと深く、専門的だ。モーターサイクルの分野でそれを成立させるには、あらゆるメーカーの社史に精通し、論文を発表している歴史研究家くらいの実績が必要かもしれない。
あれ以来、聞かれたことはないのだけど、今度機会があったらもう一度試してみようと思っている。
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