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#327 国鳥

最近知って、わりと「へぇー」となったことは、日本の国鳥がなんなのかってこと。それ以前にもしも尋ねられるような機会があったなら、(はてなんだっけ)と少し考えた後、ツルもしくはトキのどちらかに絞り込み、「ツル……じゃない?」と答えたと思う。

トキの学名は、”Nipponia nippon”だから、いかにもそれっぽいものの、そう遠くない未来に絶滅しちゃうとなんだかマズい。国鳥なるのものを、いつどうやって決めたのかは知らないけれど、ツルの方がまだ先行きの見通しが明るそうだからそうしたんじゃないか、という判断である。

はい、ブブー。

タイトル画像に使っている通り、正解はキジなんだって。意外じゃないですか? あれ、そうでもない?

だって、日本史上、キジが活躍した場なんて桃太郎くらいだし、その時だって桃太郎の手下にすぎない。しかも、たかがきび団子につられて、鬼相手に命を懸けてしまう浅はかさである。これはあれだろうか、目先のことにすぐにあれする日本人を揶揄してのことだろうか。

ちなみに、現在住んでいる神奈川県の県鳥は、カモメ。これはまぁ、そうかもめって感じ。生まれ育った京都は、オオミズナギドリ。これは結構意外。京都に海っぽいイメージを持っているひとは、かなり少数派だと思うし、野山にいそうなこじんまりとした鳥の方が、なんとなくらしい感じ。たとえば、メジロとかウグイスとか。

ともかく、県鳥とか県花とか県木って、大体どこの都道府県でも決めているものらしい。ただし、みんなだんだんどうでもよくなるのか、県魚になると、ちゃんと選定している都道府県はグッと減る。

埼玉県の県魚は、ムサシトミヨだって。埼玉県のみなさん、ムサシトミヨの姿形を思い浮かべられます?  ぜひ検索して、ひと目くらい見ておいてあげてください。熊本県は、クルマエビ。いや、魚じゃねぇし。富山県は、ブリとシロエビとホタルイカ。いや、欲張んな。しかも、甲殻類に加えて頭足類まで紛れ込ませんな。無いなら無いでいいじゃなイカ。

県獣までくると、いよいよどうでもよくなるのか、12都道府県しか名乗りをあげていない。しかも、その内の10都道府県が、シカ。カモシカとか、本州シカとか、九州シカとか、ただのシカとか、微妙な差はあれど、とにかくシカ。仕方ねぇ、シカトするのもなんだから、適当になんか書いて出すしかねぇか的な。

ここで気を吐いているのが、やはり埼玉県だ。なにがなんでもツメ跡を残す。そんな気概に溢れた担当者がいたのか、県獣として熱く推しているのは、ミドリシジミである。ミドリシジミ。ミドリシジミ? ミドリシジミってなに? ミドリシジミってのは貝じゃなくて、蝶の一種……らしい。埼玉県のみなさんは、ぜひ覚えてあげてください。それよりなにより、獣の概念はどうなってる。

さて、残りの一県は愛媛。ここんちの県獣がなにかといえば、ニホンカワウソだって。たぶん絶滅してるよ。

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