#121 「少しでも」のニュアンス
昨日書いた「最悪でも今日中」問題で思い出したのだけれど、編集者とライターはしばしばこういうやりとりもします。
「文字量はどれくらいの目安で書きましょう?」
「少しでも多い方がありがたいですね」
少しでも多い。ほとんどなぞなぞ、もしくはミステリィと言ってもいいでしょう。日本に来日して5年くらいのレベルでは、理解不能な言い回しではなかろうか。スコシナノニ、オオイ? ドッチ? ホワイジャパニーズピーポー。
この場合の「少しでも」は、一般的には「可能なかぎり」という意味ですが、たとえばこういうケースもあります。
「今日の取材分、いつまでに書けばいいですか?」
「少しでも早い方が助かります」
これはいわゆる「なる早」という意味で使っていると思われ、「最悪でも明日中」くらいの願望かもしれないのですが、もしかすると「文字量はほんのちょっとでいいから、とにかくなんか書いて。なんなら今すぐ。最悪でも今日中」という可能性もなくはなく。ここで再び、「最悪でも」の解釈問題が蒸し返されたりなんかして。
ニホンゴムズカシイネ。
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