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#187 誰とも仲良くない

伊丹くんってな、誰とでもうまくやってるけど、ほんまは誰とも仲良くないねん。

高校3年生の時、隣のクラスの子にそう言われた。ほほぉ、と思ったし、あら、ばれました?とも思った。時々ふと思い出す。

だって、ひとりがいい。ひとりがいいものの、生きている以上はそういうわけにもいかない。だからせめて、その場その瞬間の人間関係が円滑にいくように普段は気をつかっているのだ、これでも。協調性がないとか頑固とか勝手とかマイペースとか言われるのは、だからとても心外である。

生きている以上は生きる手段を確保しなきゃいけない。どうしたってひととの関わりが避けられないのだけれど、それでもひとりで机に向かっていられる時間が長いライター業は、ちょっとした天職に感じている。誰とも会わず、どこへも出掛けず、電話に出るかどうかは画面表示を見てから決めればいい。そんな日々。

唯一にして最大の障壁である取材ってやつには、決死の覚悟で挑んでいる。

その成果が認められてしまい、大きな賞を授賞してパーティに出席しなきゃいけないとか、多大な功績を残して園遊会に招待されるとか、せめてそういう事態に陥らないように注意をはらいながら生きています。

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